久々にこれはすごいと思わせてくれる骨太な芝居と出会った。2時間30分の長編なのだが、全く飽きさせることなくラストまで一気に見せてくれる。これだけの時間を使わなくては語りつくせない壮大な物語である。
己の命を受け継ぐ男児を産むために、すべてを滅茶苦茶にしてしまうエビ大王の姿と、大王によって翻弄されていく彼の周囲のすべての人たちの姿がダイナミックに描かれていく。黒澤明の『乱』を思わせるような芝居だ。視覚的な美しさもさることながら、この芝居が描こうとするものは、ストーリーを追っていくことではなく、運命というものの全貌を描くことである。そして、ラストでエビ大王の物語は神話となるのである。
この芝居を見ることで僕たちは人間の愚かさを知る。繰り返される権力を巡る寓話を通し、生きていくことの哀しさを体感する。そして、この芝居がこんなにも感動的なのは、こんな世界の中でも人は生きているのだという当たり前の事をしっかり教えてくれることにある。韓国の説話を題材にしたこの大作は、国境を越えて人の心の一番深いところを揺さぶる。
己の命を受け継ぐ男児を産むために、すべてを滅茶苦茶にしてしまうエビ大王の姿と、大王によって翻弄されていく彼の周囲のすべての人たちの姿がダイナミックに描かれていく。黒澤明の『乱』を思わせるような芝居だ。視覚的な美しさもさることながら、この芝居が描こうとするものは、ストーリーを追っていくことではなく、運命というものの全貌を描くことである。そして、ラストでエビ大王の物語は神話となるのである。
この芝居を見ることで僕たちは人間の愚かさを知る。繰り返される権力を巡る寓話を通し、生きていくことの哀しさを体感する。そして、この芝居がこんなにも感動的なのは、こんな世界の中でも人は生きているのだという当たり前の事をしっかり教えてくれることにある。韓国の説話を題材にしたこの大作は、国境を越えて人の心の一番深いところを揺さぶる。