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映画・演劇のレビュー

ThE2VS2『成人式』

2013-05-21 22:53:03 | 演劇
2VS2の第20回記念公演。おめでとう! そんなめでたさを、誰よりも自分たちが一番楽しんでいる。そこが彼ららしい。観客を楽しませるためにはまず自分たちが楽しむ、そんな彼らの姿勢が好き。でも、それは一歩間違うとただの自己満足の甘えにつながる。まぁ、そんなこと、言われなくても自分たちがちゃんとわかっているからいい。

彼らのデビューから7年間の軌跡をこの1本で振り返って見ることが出来る。これはそんなお得な作品になっている。自分たちの「歴史」を通して、いつものように遊んじゃおう、というのが今回のテーマ。彼らは面白いことを思いついたら、それをすぐに実現して(熟成なんて考えない!)みんなでひっそり(ほんとうは「大々的に」したいのだろうが)共有することを大切にしている。その姿勢も好き。4人で笑って済ませてもいいのに、それを作品化してしまう。みんなに披露して、どうだい、と胸を張る。それが2VS2だ。観客と一緒につまらないバカなギャグとか、コントを共有してへへっ、と笑っておしまい。それ以上でも以下でもない。彼らはそんな趣味の秘密結社なのだ。だから、観客動員はなかなか伸びない。だが、次回作で初めて長編に挑戦するらしい。この辺が正念場となろう。

さて、今回の8本である。2006年の結成から7年間のそれぞれの年から1本ずつ、7本を取り上げる。それに今回のための新作を1本入れて8本。バラエティーに富んだ作品であるとともに、番匠と長橋のツー・トップを大々的に前面に押し出した選択がなされてある。彼らが抱き合って終わるという黄金のパターンが結構あって、それが2VS2らしくていい。これを見れば、2VS2のすべてがコンパクトにわかるというとても贅沢な1本だ。ビギナーには「お徳」な作品。そのぶん、マニアには、物足りない。でも、これはイベントなのだ。そう考えると、お祭り企画としては申し分がない。8本がそれぞれ彼らのいろんな一面を代表するもので、彼らのコントのショーケースになっている。新作『肉猿』(もちろん『海猿』のパロディーだ)の安易なバカバカしさもいい。




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