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映画・演劇のレビュー

『ジョン・カーター』

2012-04-19 20:50:21 | 映画
 実はかなり期待した。こういうタイプの映画はもう今では誰も顧みないから、きっとすぐに劇場から消えていくだろうが、その前にできるだけ大きなスクリーンで見たくて、無理した。体力もないし、時間もまるでないのに、劇場に行った。おかげで今週は芝居は1本しか見れなかった。

 なのに、少しも心弾まない。『ファインティング・ニモ』はともかく、あの『ウォーリー』を撮ったアンドリュー・スタントン監督が初の実写映画に挑む。『スターウォーズ』の原点でもあるエドガー・ライス・バローズの伝説的SF小説「火星のプリンセス」初の映画化である。手に汗握る大冒険家活劇を期待する。

 今時こんなアナログ映画はもう誰も求めていないはずだ。なのに、敢えてそういう企画に手を染める。ディズニーだからやる無謀な挑戦だろう。最新技術を駆使して膨大な予算で挑んでも、もう誰もこういう映画を望まないはずだ。そんな企画に莫大なお金を投入する。そんな愚かな行為を見届けたい。(と言ってもアメリカではちゃんとヒットするのだろうけども)まぁ、ただ素朴に楽しい映画が見たかった。それもある。

 そんな僕の熱い想いとは裏腹に、映画は少しも弾まない。これってどうしたもんだろうか。今時時代遅れでしかない3Dなのもなんだかなぁ、である。お姫さまとヒーローが巨大な悪に立ち向かう、なんていう古典的なお話がちゃんと素直に感動に結び付く、そんな映画を期待したのに。

 今の時代、この素朴さはもう通じないのだろうか。なんだかさみしくなる。でも、それって時代の趨勢ではなく、ただこの映画がつまらないだけの話なのかもしれない。どこでどう間違ったのだろうか。ただ、今の時代、どんな凄いビジュアルを作ろうとも誰もそんなことでは驚かない。ということは、やはりお話の力なのだ。このシンプルなドラマを感動につなげるお話としての仕掛けが必要だったのだ。それなのに、この映画は無防備であまりに単純すぎた。

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