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映画・演劇のレビュー

劇団不労社『生きてんだか 死んでんだか』

2017-02-17 00:17:24 | 演劇
なんだぁ、このへんてこな芝居は!こんなの見たことないぞ。というか、誰もこんな芝居はしないぞ、と思う。本気なんだか、ふざけているのか。よくわからないけど、そのなんだかいいかげんな感じがとても面白いのだ。ちゃんとふざけている、って感じだ。



学生劇団(出身)ならではの身内受けする緩いノリがなぜか心地よい。客席も心得たもので、ちゃんとそんな身内の芝居に反応してくれる。アットホームなノリのよさ。普通ならそれって馴れ合いみたいで好きじゃないのだが、こと、この芝居に関してはそんなゆるさが魅力になっている気がする。



心霊研究会のメンバーが廃墟に立ち入り、そこで暮らし、宴会する。すると、その家にいる幽霊たちがやってきて、一緒に宴会を繰り広げる。バカバカしいとしか言いようがないお話なのだ。どうでもいいようなドタバタ騒動が描かれる100分間。でも、ちゃんと作ってあるから、楽しいし、笑える。「お化け屋敷もの」としてもよくできている。生きてる人たちと死んでる人たちが等価に描かれ、そこに違和感はないからだ。



セットもありきたりの、でも、ちゃんとしていて、そんな律義さがかわいい。難しいことは何も言わない。でも、軽いだけのエンタメではなく、なんだかわからないけど、暑苦しい芝居で、よくわからないけど楽しい。(もちろん、その「よくわからない」というのは、難しい芝居、というわけではない)それだけ。思えばなんだか不思議。これはそんななんとも魅力的な芝居だったのだ。
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