久々の大冒険大活劇だ。『スパイダーマン』に続いてトム・ホランドが主演する。ヒットしたら続編がどんどこ作られるのだろう。できれば『インディジョーンズ』のような壮大なスケールの映画だったらいいな、と期待して見たのだけれど、残念ながら『ハムナプトラ』レベルの作品で、がっかりした。あほらしい映画は好きだし、突っ込みどころ満載も悪くはない。だけど、あまりにいいかげんで、笑えない。
相棒のミスター『猿の惑星』(というか、いろんな映画出まくりだけど)ことマーク・ウォールバーグはインディの父ちゃん、ショーン・コネリーのような立ち位置のはずなのだけど、あまりよくない。お話にもうまく絡まないし。悪役を演じたアントニオ・バンデラスもまるで活躍しないし。がっかりばかり。どうしてこんなことになったのか。ゲームが原作でお話が安直な展開だからか。豪華な映画のはずなのに、なんだかなぁ、と思う。監督は『ヴェノム』や『ゾンビランド』のルーベン・フライシャーでそこは悪くない選択だと思ったのだけど。
公開1週目だから大きなスクリーンで見れると楽しみにして見たのだけど、映画自体がここまでつまらないと、シラケるばかりだ。これなら今朝、家を出る前に見た『ジャンク・ヘッド』のほうがずっと楽しいし、あの映画をこのTOHOシネマズ梅田の2番スクリーン(ここはもともとはあの旧「梅田スカラ座」だし)で見たかった。そうするとあの映画もきっともっと楽しめたはず。
映画はストーリーである。台本がつまらなくては、どうしようもない。(もちろんどんなに面白い台本でも演出がヘボならダメだけど。)この映画はまずその台本がつまらない。お話に整合性もないし。そこでまず躓いた。スピルバーグのような才能はめったにいないけど、ルーベン・フライシャーには彼なりのアプローチがあったはずだなのだ。でも、これでは何をしたいのかすらわからない。失敗でもいいから、せめてそこだけは明確にして欲しかった。
世界を股にかけて繰り広げられる冒険の数々、のはずだったのに、なんだかとてもコセコセした映画になったのか、そこが一番の問題だろう。失われた財宝の謎を追いかけていたはずだけど、2本の鍵とか、よくある安易な設定だけで、まるでお話に説得力がないし、ワクワクドキドキもない。だからハラハラしない。失笑しかない。悲惨だ。冒頭の飛行機から落ちてくる積み荷を飛び越えて機内に戻ろうとするシーンなんて、あほらしすぎて笑えるけど、あの安易さが全編を貫くから笑えない。