映画館でジャッキー・チェンを見なくなった。引退したわけではない。興行的の成り立たなくなったから公開されなくなったのだろう。一時はアクションはもういい、と引退をほのめかしたけど、すぐに撤回して、復帰するが、さすがにもう以前のような無茶はできない。もうジャッキーの時代は終わったのだろう。体を張ったアクションは今の時代もう古い。CGでなんでもリアルにできる時代に、命がけのアクション映画はいらない、のだろうか? そんなわけはない。では、今必要とするものは何なのか。その答えはトム・クルーズが出してくれている。彼の『ミッション・インポッシブル』シリーズがそうだ。トムの今回の新作を見た直後である今、ジャッキーの新作がNetflixで配信スタートしていた。そこでさっそく見ることにする。
これもなかなかの大作映画である。潤沢な中国マネー を湯水のように使って作っている。だが、お話はつまらないし、派手なCGアクションもジャッキー映画には似合わない。体を張ってアクション映画を作ってきた彼だけど、70代になって今までのようなことは不可能だ。いつも通りの1対1のタイマン勝負もルーティンになる。長く続くと退屈してしまう。何度か居眠りをしてしまうくらいだ。せめてストーリーが面白いといいのだが、こちらも散漫。派手なアクションは随所にあるが、それがお話として有機的に繋がらない。相変わらずのバディムービースタイルも、のんびりしていていいね、とは言い難い。
緩急をつけながらラストまで引っ張っていく映画は昔ながらの王道だろうが、古さは否めない。ラストの相変わらずのNG集もほのぼのするけど、それだけ。常に時代の最先端をいくトム・クルーズからは大きく水を開けられた。