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映画・演劇のレビュー

プレイバック③【1997年】

2009-02-19 20:47:53 | 映画
 今から12年前なんか懐かしくもなんでもない。つい昨日のような時間だ。だが、こうしてノートを見ると忘れていたことがいっぱい蘇ってくるから不思議だ。

 映画は186本見ている。芝居は205本。この頃は映画より芝居のほうが多い。本は98冊と少し少なめ。ビデオは74本。

 この年は1月に篠原哲雄の実質的デビュー作『月とキャベツ』。今は亡きシネマワイズ(旧梅田花月だ)で見た。(ここでは3月に三池崇史の『岸和田少年愚連隊 血煙純情篇』も見た。)2月は松島菜々子のデビュー作『恋と花火と観覧車』。この2本は何度も見た。

 石井聡互『ユメノ銀河』、チャン・ウエン『太陽の少年』、今村昌平『うなぎ』、デビット・リンチ『ロスト・ハイウェイ』、市川準『東京セレナーデ』、松岡錠司『私たちが好きだったこと』、パット・オコナー『秘密の絆』、ウォン・カーウァイ『ブエノスアイレス』、竹中直人『東京日和』

 芝居はまず1月に見た三枝希望さんの『水の声』が素晴らしかった。そして、初めてジャブ・ジャブ・サーキットを見たのもこの年の1月だ。『まんどらごら異聞』である。衝撃的だった。桃園会の『カラカラ』2部作(もちろん作、演出は深津篤史さん)と『うちやまつり』。この年の深津さんはすごかった。1年間で彼の作品を8本も見ている。初期のスクエアの最高傑作『泊』は12月にウイング・フィールドで見ている。

 そしてこの年は太陽族の『透明ノ庭』、燐光群『漱石とヘルン』、維新派『南風』、ニュートラル『楽園への道』。これでベストテン。

 この年はいい小説がたくさんあった。角田光代(『ぼくはきみのお兄さん』がよかった)や江国香織(『泣かない子供』、『落下する夕方』)が続々と新刊を出し始めた。村上春樹『レキシントンの幽霊』『アンダーグラウンド』、川本三郎(『荷風と東京』『クレジットタイトルは最後まで』『東京おもいで草』)や小川洋子『ホテル・アイリス』『やさしい訴え』。川上弘美はこの年からだ。(『蛇を踏む』)村上龍『イン・ザ・ミソ・スープ』『ストレンジ・デイズ』。そして北村薫『ターン』。まだまだ凄い本はたくさんあった。きりがない。

 なんだか書いていて、たかが12年前がいつのまにか懐かしさでいっぱいになった。なんだかそれってまずいなぁ。感傷に浸ってる場合ではあるまい。つれづれに任せてノートを繰りながら思い出す。ちょっとこれってよくない。

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