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映画・演劇のレビュー

プレイバック① 【1991年】

2009-01-02 11:49:02 | その他
 ノートを見ながら、今から18年前のことを振り返って見よう。

 この年、見た映画はなんと344本。すごいとしか言いようがない。芝居は60本。本は156冊。ビデオ(DVDは当然ない)は51本である。今はあまり行かなくなったが、当時は写真展、とか美術展とかもよく行っていた。この年は74回。

 アートベスト10なんてのも簡単に出来てしまう。3月のCAPA&CAPA展(三越アート・フォーラム)はすばらしかった。4月のデビット・リンチ展(CITYホール)、6月、十文字美信展(ニコンサロン)、アバカノビッチ展(滋賀県立美術館)9月は濱谷浩〈写真生活60年〉展(近鉄アート館)、10月、橋口譲二展(ロフト梅田)、11月、ジョール・マイヤーウィッツ写真展(つかしんホール)なんかが特に印象に残っている。

 映画は怒涛のように見た。1月はリュック・ベッソンの『ニキータ』とバリー・レビンソン『わが心のボルチモア』。今は亡きシネラマOS劇場で『フィールド・オブ・ドリームス』の上映会をしたのもこの1月だ。学校の視聴覚行事で「最高の劇場で最高の映画を見せよう」と画策した。

 1月28日にはアキ・カウリスマキ『真夜中の虹』(今回の写真はこの映画)を見ている。これが最初のカウリスマキ作品日本上陸である。(映画祭では紹介されていたが劇場公開はこれが初めて。)興奮した。この作品を皮切りにして、この年、彼の映画は続々公開された。91年はカウリスマキ・イヤーだったのだ。こんな映画、今まで見たことがなかった。

 国名小劇、扇町MS、シネマ・ヴェリテ、テアトル梅田で山のように映画を見た。ミニ・シアターのはしりである。誰も見ないような映画が続々公開された。

 この年のベスト10を以下に見た順で列記する。

 エットーレ・スコラ『ラ・ファミリア』、大林宣彦『ふたり』、ペニー・マーシャル『レナードの朝』、村上修『真夏の地球』、コーエン兄弟『ミラーズ・クロッシング』、ペ・ヨンギュン『達磨はなぜ東に行ったのか』(あまりにすばらしすぎて5回も見に行った)、馬場康夫『波の数だけ抱きしめて』、竹中直人『無能の人』、ヴェルトラン・ブリエ『メルシー・ラ・ヴィ』、アラン・パーカー『ザ・コミットメンツ』

 この年はマカヴェイエフとかパラシャーノフとか大挙して紹介されて、山のように見た。ジャン・クロード・ブリソー『白い婚礼』のヴァネッサ・パラディに恋をした。

 芝居はパノラマ☆アワー『HELLO,EARTH』『地下鉄キッド』、犬の事ム所『他人の想い出』、クロムモリブデン『脳ー天ー気』、第2劇場『幻想ヨタ話
第2話』ちゃかぽこ調書『トルネード』、遊気舎『アピョーン家族』、ミトス『灌頂の都』、善人会議『ジプシー』、転位21『骨の鳴るお空』がベスト10.

 本もおもしろいものをたくさん読んでいる。沢木耕太郎『チェーン・スモーキング』、藤原新也『アメリカン・ルーレット』、カズオ・イシグロ『日の名残り』、ネストール・アルメンドロス『キャメラを持った男』、澁澤龍彦『高丘親王航海記』、川本三郎『フィールド・オブ・イノセンス』『大正幻影』、川島誠『夏の子供たち』、井上一馬『自由が丘物語』、小川洋子『妊娠カレンダー』、ピート・ハミル『イラショナル・レイビングス』『東京スケッチブック』、ボブ・グリーン『ホーム・カミング』、アンドレイ・タルコフスキー『タルコフスキー日記』、石川文洋『報道カメラマン』

 読んだ本のリストを見ると、なんだか小説が今と違ってやけに少ない。評論とかが多い。外国ものも多い。まだ若かったからだろう。小川洋子に嵌ったのもこの年だ。

 ビデオは、原田眞人監督の『タフ』シリーズがリリースされている。デビッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス』もこの年だ。鶴橋康夫が絶好調だった。


 芝居は90年から古賀さんのスペース・ゼロに通いはじめた。この後どんどん本数が増えてくるが、この年はまだ、二桁の本数だったようだ。

 

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