ここに2人いる.彼女たちが何者なのか、わからない。彼女たちはその身体と言葉を武器にして未来と向き合う。これはとても感覚的な芝居だ。この作品はuglyの最後の公演作品であり、ここから今の樋口ミユがスタートした記念碑的な作品でもある。
今回久しぶりに見て、まるでPlant Mの新作を見ているような気分になった。(まぁ、これは間違いなく最新作なのだけど、まるで再演とは思えない、ということだ)今の樋口さんの作品群の先にこれがある、という気がした。初演の印象はまるで払拭されている。お話もますます抽象化され、象徴的なものになった。
だから、何がなんだかよくわからないまま、2人の姿を追いかけていくことになる。子宮から宇宙までの旅。もちろんそれは生と死の物語であり、過去から未来へと旅する物語でもある。言葉がなくなった先に、身体のみの表現が生まれ、再び言葉へと戻る.世界を形作る円環運動を通して、ここにひとつの宇宙を見せてくれる。たった80分間、なのに、とても刺激的な体験ができる。