最近こういうタイプの小説がやけに多い。短編連作は確かに読みやすいし、作者にしてみれば設定を用意して、あとはその枠の中で話を転がすだけだから、いちから書き始めるよりも楽なのだろう。それは読者にとっても同じだ。まず向き合う時の姿勢が、構えることなく済む。なんだか安易な気もする。まぁ面白ければそれでいい話なのだが。そして、当たり前の話だが、宮下奈都さんはとても面白い。
ハライという、町の小さな、でも、特別なレストラン。とても人気があるからなかなか予約が取れない。でも、なんとか頑張って予約を取る。そして、その特別な日に向けて生きる。それぞれのお話は、最後にそこに行くことをドラマのラストに配して、そこに至る物語を立ち上げる。全体は6話からなる。
ずっとつきあっていたはずの恋人に別れを告げられる。腐れ縁の幼なじみと、もういちど、向き合う。死んでしまった夫がまだ生きていると思い込む老女。引きこもりの弟と、彼を心配する姉。自分が働くレストランにいつもやってくるとても気になるお客さん。人の不幸の匂いを感じる女。
それぞれのエピソードは完全に独立した短編としても充分に機能する。だが、それをほんの少しずるつなげることで、タイトルの『誰かが足りない』という気分を作り上げる。ラストも、ここに登場した6組が同じ日のレストランに揃う瞬間をことさらに強調はしないのもいい。きちんとパズルのピースが揃う瞬間は気分がいいけど、なんだかうそ臭いし。このくらいの緩さがいい。
ハライという、町の小さな、でも、特別なレストラン。とても人気があるからなかなか予約が取れない。でも、なんとか頑張って予約を取る。そして、その特別な日に向けて生きる。それぞれのお話は、最後にそこに行くことをドラマのラストに配して、そこに至る物語を立ち上げる。全体は6話からなる。
ずっとつきあっていたはずの恋人に別れを告げられる。腐れ縁の幼なじみと、もういちど、向き合う。死んでしまった夫がまだ生きていると思い込む老女。引きこもりの弟と、彼を心配する姉。自分が働くレストランにいつもやってくるとても気になるお客さん。人の不幸の匂いを感じる女。
それぞれのエピソードは完全に独立した短編としても充分に機能する。だが、それをほんの少しずるつなげることで、タイトルの『誰かが足りない』という気分を作り上げる。ラストも、ここに登場した6組が同じ日のレストランに揃う瞬間をことさらに強調はしないのもいい。きちんとパズルのピースが揃う瞬間は気分がいいけど、なんだかうそ臭いし。このくらいの緩さがいい。