なんともう第3弾である。早い早い。まぁ、そりゃそうだ。毎月新作が上演されるのだから当然のことだろう。見るほうも大変だが、作るほうはもっともっと大変だ。たかせさんの悲鳴が聞こえてくる。(だって、舞台上で本人が泣き言を言ってるのだから)
今回は起承転結でいうと、「承」にあたるパートになるのではないか。前2作を受けて、新たなる展開を見せる。「色」だけでなく、テーマを設定した。6月なので、「雨」である。(なんか、安易だなぁ、とも思うけど。まぁ、あまり気にしないでおこう)ホワイト&ブラックというシンプルで、象徴的なスタートを切ったこのシリーズの新展開。(次がショッキング・イエローなので、2本ずつセットにするつもりか?)だが、この新機軸は、題材を限定してしまった気がする。「雨」という縛りに「ブルー」という可能性が損なわれたのが少し残念だ。
ただし、たかせさんお得意の暴力的なイメージが、今回は前面に出たのは嬉しい。最初の『ひったくり!』のわけのわからなさ。すさまじい。あんなの最初にしたら、後が続かないのではないか、と心配になるほどだ。何も考えてないのが凄い。その後の『愛哀傘』は、しっとりした大人の恋の物語(な、わけないけど)で、落ち着かせて、次は『スク水ガールズ』。女優たちにスクール水着を着させたかっただけ、という凄さ。高校の水泳部の新入生クラブ紹介の風景が描かれる。まぁ、ありえないような展開で笑わせる。
ダンスもの(『レインダンス』)と、軽い作品を挟んで、ラストはちょっとした中編を用意した。シチュエーションコメディで、結婚式場でのドタバタが描かれる。(『マリッジ・ブルーブルーブルー』)あほな設定だけど、そんなことどうでもいい。このお話をどこまでエスカレートさせるのかが作者の腕の見せ所だ。マリッジブルーの新婦。彼女をなだめるうちに、いろんな奴がやってきて、とんでもない騒動に陥る。よくあるパターン。これをもっともっと破壊的で暴力的なものにまで昇華させたなら、いい。そういうたかせさんが見たい。なんだか、少しセーブが効きすぎ。
ちょっと投げやりで、いいかげんなたかせさんのMCは楽しい。今後、ここが日記風の身辺雑記になりそうな予感。とりあえず、これで3作目。新しいステップを踏まえて次回も期待大。