昨年見た三浦友和主演の『RAILWAYS 2』(正式なタイトルは『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ 』)を見たとき、やられたなぁ、と思った。ここまでベタに今に日本の現状をてんこ盛りにしなくても、いいじゃないか、と思いつつも、今、これをしなくてはいつやるのか、とも思った。定年真近の団塊で世代の第2の人生にむけてのドラマは、あざといくらいだが、『RAILWAYS』という題材に包み込むことで、とても素直の見ることができた。高校卒業してからずっと電車の運転士を続けて来た男が、定年後の人生をどう生きるか。そんな内容以上に寡黙な友和が魅力的だった。
遡って前作であるこの作品を初めて見た。2010年の劇場公開時に見るつもりだったが、タイミングを逃し、DVDが出たときも、なんだかんだで、今日まで見る機会が作れなかった。ようやく見れてよかった。わかっていた話だが。やはりこれもまた、とてもいい映画だった。宣伝では『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』とあるが、映画の正式なタイトルは『RAILWAYS 』である。サブタイトルはない。その方がすっきりしていていい。
内容はこのサブタイトルそのままなのだが、50歳を前にして人生をやり直す男なんて、しかも、大企業の重役候補という超エリートである。そんなのは映画の中だけの話、と言われそうな内容だ。だが、絵空事としてではなく、説得力のある夢物語として、見せてくれる。そんな思い切った決断はなかなか出来ない。だが、やらなくてはならない時もある。映画はその時をしっかりと、リアルに見せる。
中井貴一がすばらしい。目立つことなく、この男をしっかりと演じる。地味で、地道で、大胆で。50歳を目前にして、退職し、子供の頃の夢を追いかける男なんて、本当なら嘘くさくて見てられないはずだ。だが、彼はそんな男をちゃんと成り立たせる。子供っぽい夢ではない。これまで築きあげてきた人生を犠牲にしても叶える夢として見せる。地に足を着けて、電車の運転士になる。
お金とか、名声とか地位とか、そんなもの、どうでもいい。ただ、自分の夢を大事にして、自分自身を見失わない生き方をする。現実はそんな甘いものではない、という人もいるだろう。確かにそうだ。だが、彼はちゃんと努力して、実現する。大切なものは、ちゃんとここにある。島根県の一畑電鉄というローカル電車を舞台にして、ここで、ひっそりと生きる人たちの現実のドラマとしても、見れる。実在するこの電鉄会社をそのまま描くのだ。そこにはちょっとした脚色はあっても、嘘はないはずだ。この風景やここで暮らす人たちの姿がこの映画をしっかりと支える。錦織良成監督は『白い船』や『うん、何?』でも、島根を舞台にして、ここで生きる人たちの姿を丁寧に見せてくれたが、単なる地方発の映画ではなく、ここでしか見せられないものをちゃんと提示してくれる。とても気持ちのいい時間だった。これもまた映画の醍醐味だ。
遡って前作であるこの作品を初めて見た。2010年の劇場公開時に見るつもりだったが、タイミングを逃し、DVDが出たときも、なんだかんだで、今日まで見る機会が作れなかった。ようやく見れてよかった。わかっていた話だが。やはりこれもまた、とてもいい映画だった。宣伝では『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』とあるが、映画の正式なタイトルは『RAILWAYS 』である。サブタイトルはない。その方がすっきりしていていい。
内容はこのサブタイトルそのままなのだが、50歳を前にして人生をやり直す男なんて、しかも、大企業の重役候補という超エリートである。そんなのは映画の中だけの話、と言われそうな内容だ。だが、絵空事としてではなく、説得力のある夢物語として、見せてくれる。そんな思い切った決断はなかなか出来ない。だが、やらなくてはならない時もある。映画はその時をしっかりと、リアルに見せる。
中井貴一がすばらしい。目立つことなく、この男をしっかりと演じる。地味で、地道で、大胆で。50歳を目前にして、退職し、子供の頃の夢を追いかける男なんて、本当なら嘘くさくて見てられないはずだ。だが、彼はそんな男をちゃんと成り立たせる。子供っぽい夢ではない。これまで築きあげてきた人生を犠牲にしても叶える夢として見せる。地に足を着けて、電車の運転士になる。
お金とか、名声とか地位とか、そんなもの、どうでもいい。ただ、自分の夢を大事にして、自分自身を見失わない生き方をする。現実はそんな甘いものではない、という人もいるだろう。確かにそうだ。だが、彼はちゃんと努力して、実現する。大切なものは、ちゃんとここにある。島根県の一畑電鉄というローカル電車を舞台にして、ここで、ひっそりと生きる人たちの現実のドラマとしても、見れる。実在するこの電鉄会社をそのまま描くのだ。そこにはちょっとした脚色はあっても、嘘はないはずだ。この風景やここで暮らす人たちの姿がこの映画をしっかりと支える。錦織良成監督は『白い船』や『うん、何?』でも、島根を舞台にして、ここで生きる人たちの姿を丁寧に見せてくれたが、単なる地方発の映画ではなく、ここでしか見せられないものをちゃんと提示してくれる。とても気持ちのいい時間だった。これもまた映画の醍醐味だ。