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映画・演劇のレビュー

『ゲーマー』

2010-12-16 21:58:51 | 映画
 この手のSFアクションは発想のおもしろさと、アクションのキレが命だ。『アドレナリン』の監督がB級テイストで挑むこの93分の作品に誰も多くは期待しないだろう。だが、激しいバトルとそれなりの視覚効果で一気に見せるこの映画はなかなかの拾いもので悪くはなかった。華やかな大作の並ぶお正月映画の中に、こういうワイルドな映画をひっそりと潜ませるなんて、なかなか趣味がいい。

 死刑囚の体を借りて、ゲーム感覚で殺し合いをする、という話だ。彼らの体を使うのは別の人間で、頭の中に入って人の体を自由自在に使ってバトルを繰り広げる。しかも、彼らは普通に生活する人々のいる市街地で、自由に戦闘を繰り広げるのだ。よくある近未来ものなのだが、この設定がなかなかよく出来ているし、過激なアクションシーンをテンポよく見せていくので、かなり楽しい。
 

 このバトルで10回勝つことが出来たなら解放されるのだが、そこまで持ちこたえることは不可能だ。だがジェラルド・バトラー演じる主人公は、なんと9回勝ち残り(確かそのくらい)あと1回で釈放されるというところまで漕ぎつけるのだが、彼はその前に、自分をコントロールする人間から、自分の意志を取り戻そうとする。まぁ、いかにもなお話だ。(30回勝ち残らなければならない、というのが正解です。今調べたらそう書いてあった)

 ド派手なアクション・シーンが連続するばかりで、お話の方は薄いが、それ以上のものは最初から作り手の側も望まない。だからこれで充分期待通りの映画なのだろう。こういう誰も見ない隠れた映画をなんとなく見て、そこそこ楽しめると、それだけでなんだか自分だけが得した気になり、うれしい。


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