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『ニワトリ☆フェニックス』を見ようかと思ったけど、そういえばまだ、このチームによる前作『ニワトリ★スター』を見てないやん、と気づき、さっそく見ることにした。見始めて驚いた。「なんなんだ、このむちゃくちゃは!」と。こんな映画だとは思いもしなかった。しかも2時間15分の長尺。井浦新と成田凌が主演するロードムービーだと思っていた。いや、それは『ニワトリ☆フェニックス』のほうか。前作であるこちらは現代版『傷だらけの天使』(坂本順治の映画版ではなくショーケンと水谷豊によるオリジナルのほう、ね。)ではないか、と勝手に思い込んでいたのだ。確かにそういう雰囲気はないわけではない。でも、この破天荒な作り方、見せ方、行き当たりばったりの展開には唖然とするしかない。
40分くらいまで見てやめようか、と思ってしまったほどの酷さ。でも、なぜだかやめられない。何がしたいのやら訳が分からないまま、だから止まらない。しかも、後半井浦新が大阪に帰ってしまい、お好み焼き屋のオヤジとして穏やかに暮らしましたとさ、とかいうような展開で両親が山田スミ子と奥田瑛二! ここに至ってもうどうでもいいやん、というくらいにこの映画の世界にハマることとなった。まるで、違うテイストは混在して、でも、それで強引に納得させられ、あげくは感動するとか、ありえない。終盤、沖縄編とか、何でこういう展開になるのやら、と思う。なんと「難病もの」の展開である。
前半の東京編の破天荒が、後半の「人情もの」の展開へとシフトする。しかも、その間にやくざたちを一掃する強引な幕引きもある。忘れていたけど、冒頭のアニメで宇宙飛行士になる井浦新のエピソードの補足がちゃんとエンドクレジットの後にある。本作で初監督作品となるかなた狼(ウルフ、と読むそうだ)が、ありとあらゆる仕掛けを施し、ふたりの「友情もの」映画を極めた。