山﨑賢人主演のアクション大作映画だ。彼はこの3年3作品、『キングダム』で主人公を演じている。3本とも大ヒットして今年の夏にはシリーズ第4作が公開される。絶好調の彼が同じようなアクション大作映画に挑んだのがこの作品だ。普通なら毛色の変わった映画に取り組むほうがいい。なのに彼は茨の道を歩む。リスクばかりが大きくて、失敗が許されないプロジェクトだ。しかもアクションスターのレッテル張りがなされる可能性も高い。失うものは大きく得るものは少ない。
しかも監督は初めて組む未知の人である。『HIGH&LOW』シリーズを担当して気を吐いた久保茂昭。僕は彼の映画を見たことがない。山﨑賢人以上に不安を抱えて劇場に向かった。(笑)
典型的な娯楽映画仕様である。安易な設定で、展開する。ツッコミどころは満載。ある種の漫画の映画のパターンで、勢いだけで話を暴走させていく。説得力はいらない。熱意と情熱(同じかぁ)だけがあれば乗り越えられる。あり得ない展開とストーリーを力技で見せ切る。さらには熊が大活躍するのも楽しい。
もちろんアクションには手を抜かない。そしてセットやディテールにはこだわる。大作映画の風格と大仰でチープな展開を程よくブレンドした映画。役者たちも定番漫画キャラをノリノリで演じる。ボスキャラの土方歳三の舘ひろしや、悪役の玉木宏を筆頭にして次から次へと現れる敵と向き合い一歩も引かない山﨑賢人という図式。
これは昔ながらのまさかのB級連続活劇なのだ。だからラスト、怒濤の展開は次回予告。また次も見てね、のノリ。クセのあるキャラクターを並べて金塊探しの旅は続く。
しかし山﨑大丈夫か? こちらもまだまだ続くシリーズ化になりそうだし、『キングダム』はもちろんある。さらには今年4月公開の『陰陽師0』もある。絶好調だが、ますますアクションスターに特化する可能性があり、危険だと思うけど。