『ハハハ』である。なんとも安直。このタイトルはどうなのか、と思った。まぁ、原題がこうなっているのかもしれないが、不思議なタイトルだ。映画自体はいつものホン・サンスなのだが、今回はいつもにもまして、笑える。(だから、ハハハか? というか、別に笑えるものを作っているわけではないけど。)
男2人が飲み屋でしゃべっている現在の時間はモノクロのスチール写真で見せて、話の中で描かれるこの二人が語るそれぞれのお話を映画は見せていく。交互に語られる両者の別々の話なのに、それが本人たちは気付かないけど、微妙に重なっていたりするのが、観客である我々にはわかるのだ。だって、同じ人物が、それぞれの話に登場しているからだ。同じ場所を舞台にして、微妙にずれた時間の中で、すれ違う。それぞれが語る自分たちの話。でも、お互いは一切かかわらないからまるで違う世界の出来事のように話されていく不思議。
ホン・サンスは洒落たコメディーとしてこれを見せたいわけではない。これが恋愛映画であることも、彼にとってはたいした意味ではない。彼はただ、人と人との交わすなんでもない会話が好きなだけ。それがどうつながっていくのかには、別にあまり興味がない。でも、人と人とはなんだかどこかでつながっているものなのだ。そんなこんなは『江原道の力』のころから、いつも同じだ。
恋とバカンス。ひと夏の物語。映画監督と評論家。ふたりの男がこの夏のアバンチュールを語り合う。なんだかノーテンキ。いいのか、こいつら。こんなことしていて。まぁ、酒の席だし、この後、彼は(監督のほう)カナダに移住するから2人はしばらく会えないはず。楽しい時間を過ごすといい。そこで、お互いの恋バナ。おっさんたちのくせに。でも、こういうのは年齢には関係ないかぁ。
たわいない映画である。深刻な話はしない。しかも、実にそっけないし。でも、そこがホン・サンスの魅力なのだ。2時間、このどうでもいいような話が、なぜか、こんなにも心地よい。
男2人が飲み屋でしゃべっている現在の時間はモノクロのスチール写真で見せて、話の中で描かれるこの二人が語るそれぞれのお話を映画は見せていく。交互に語られる両者の別々の話なのに、それが本人たちは気付かないけど、微妙に重なっていたりするのが、観客である我々にはわかるのだ。だって、同じ人物が、それぞれの話に登場しているからだ。同じ場所を舞台にして、微妙にずれた時間の中で、すれ違う。それぞれが語る自分たちの話。でも、お互いは一切かかわらないからまるで違う世界の出来事のように話されていく不思議。
ホン・サンスは洒落たコメディーとしてこれを見せたいわけではない。これが恋愛映画であることも、彼にとってはたいした意味ではない。彼はただ、人と人との交わすなんでもない会話が好きなだけ。それがどうつながっていくのかには、別にあまり興味がない。でも、人と人とはなんだかどこかでつながっているものなのだ。そんなこんなは『江原道の力』のころから、いつも同じだ。
恋とバカンス。ひと夏の物語。映画監督と評論家。ふたりの男がこの夏のアバンチュールを語り合う。なんだかノーテンキ。いいのか、こいつら。こんなことしていて。まぁ、酒の席だし、この後、彼は(監督のほう)カナダに移住するから2人はしばらく会えないはず。楽しい時間を過ごすといい。そこで、お互いの恋バナ。おっさんたちのくせに。でも、こういうのは年齢には関係ないかぁ。
たわいない映画である。深刻な話はしない。しかも、実にそっけないし。でも、そこがホン・サンスの魅力なのだ。2時間、このどうでもいいような話が、なぜか、こんなにも心地よい。