新しいタイプのアクション映画に挑む『THE WITCH 魔女』シリーズのパク・フンジョン監督最新作。まさかこんなふざけた映画だとは思わなかった。これは凄い。平然とこんな映画を作るパク・フンジョンは半端ではない。もちろん褒めている。
ラストのアクションまでずっと一心に同じ調子でめちゃくちゃやってくれる。宣伝では「ラスト20分、予測不可能」と煽っているが、ラストの説明は反対にウザい。それよりもっと華麗にガンアクションを見せてくれたほうがいい。娯楽映画だけど、徹底しているのが素晴らしい。
それにしても、冒頭のかなり残虐なアクションからラストまで手を抜かない、というより、それぞれ嗜好が凝らされているのが凄い。そこでは手を変え品を変えさまざまな試行がなされる。カーチェイスやアクションだけでなく、お話にも仕掛けられるけど、まぁそちらはアクションほどではない。
主人公の貴公子はずっと涼しい笑顔を絶やさない。不気味なくらいに笑顔で、それは訳の分からないくらいに嘘くさい笑顔。キム・サンホが過酷なアクションを涼しい顔で軽々とこなしていく。遺産相続に巻き込まれた青年を追い回して、結果的に助ける。天使か悪魔か、わからない。
正直言って単純で深みはない映画だけど、2時間最初から最後まで楽しませてくれる。さすが韓国映画。というかパク・フンジョン。