とても楽しみにしていたのだが、細部におけるリアリティがないから集中できない。無名の漫画家志望がいきなりヒット作を作るのはいいけど、たった1本のヒットですぐにあんな贅沢な暮らしが可能になるのだろうか。しかも、単行本はまだ3冊くらいしか出版されていない、というか、あれだけ短期間で3冊って可能なのか。よく知らないけど、週刊誌の連載だから1冊の分量になるのには2か月くらいはかかるのではないか。事件から何か月が過ぎたのだろうか。事件の後すぐに書いて出版社に持ち込んでそれが速攻で掲載されても、あまりに展開が早過ぎないか。2度目の殺人が模倣犯として評判になり読者が騒ぎ出すのは必至だろう。どうして、マスコミも含めて騒がないのか。小栗旬刑事だけが類似点に気付くだなんて、そんなはずはない。マンガを読んでいる人なら誰でもわかるはず。空前絶後の大ヒット作なのだし。警察が緘口令を敷いたわけでもないし。
いろんなところが、なんだか嘘臭くて、映画に集中できなかった。設定や展開は確かに面白いのだから、もう少しなんとかできなかったのか。それとも、僕が知らないだけで、漫画の世界ではこういうのは常識なのか。ヒット作を作るとそれだけで一瞬で巨万の富を手に入れられるのか。教えて欲しい。それからあんなに簡単に白昼の住宅街で4人を殺して周囲の人が気づかないし、血まみれで逃げられるのでしょうか。
主人公の漫画家の菅田将暉と犯人を演じたセカオワのFukaseはとてもいい。それだけに乗れなかったのは悔しい。