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映画・演劇のレビュー

『トロン レガシー』

2010-12-29 20:34:25 | 映画
 たぶん、このお正月映画で最大の超大作である。(だから写真もでかいのを取り込んだ!)昨年の『アバター』に続いて、これはたぶん今の3D映画の到達点を示すであろう映画(なのだろう)。予告編を見ると、なんだか凄いらしい、という気にさせられて、ついつい見に行く。まぁ、騙されるのは覚悟の上だ。

 それにしても今年はたくさんの3D映画が公開された。そしてその度にうんざりさせられてきた。最初は目新しいから楽しかったが、すぐに飽きた。なのに、どんどん3Dばかりが公開される。いいかげんにして欲しいと思うのは僕だけなのか。何度か書いているが、3Dと2Dの同時公開ならば、絶対に2Dの方を選ぶ。無駄に400円払わなくてもいいし、スクリーンはクリアだし、明るい。それより何より疲れない。なんで映画館にまできて、疲れて帰らなくてはならないのか。僕は嫌だ。

 とはいうものの、なぜだか、見てしまう。特に今回は、映画の最新現在形を示すらしい映画である。これを見逃すのは1映画ファンとして、悔しいから、やはりさっさと見たい、と思い、劇場に。でもなんだか嫌な予感がしていた。見世物映画は嫌いではないが、映画ってただのアトラクションではないんだがなぁと思う。先日の『SAW 3D』なんて、最初から映画だとは思わずに100%アトラクションと腹をくくって見るから、あまり腹は立たないのだけれど、『アバター』やこの映画のように、散々気を持たせて、結局はアトラクションかよ、と思わせる映画はなんとも始末に悪い。

 最初から予防線を敷いて、きっとつまらないだろう、と予想して見に行ったのだが、その予感がここまで見事に的中しなくてもいいんじゃないか、と思う。このあまりの中身のなさと、ストーリーのつまらなさ、単調さには、呆れかえるしかない。最新技術を駆使してこんな最低レベルのドラマを作ってどうしようというのだろうか。ゲームの世界の中に閉じ込められたり、そこにあるもう1つの世界、とか、これでは設定があまりに古すぎてついていけない。

 82年のCG映画の先駆けとなった『トロン』の続編、ということだが、まるで世界観がなってない。この手のSF映画は設定の面白さが命である。それで引っ張っていくものではないか。そこに驚異のビジュアルが相乗効果を発揮して初めて成立するタイプの映画なのだ。そこからさらに「かって誰もが見たこともない世界」を提示してくれなくては意味がない。先行する傑作映画の数々の足元にも及ばないような話で、映像の未体験ゾーンに挑もうなんてちゃんちゃらおかしい。あまりの退屈さに、途中で居眠りしてしまった。目がトロンとなるようなこの『トロン』のようなとろくさい映画を作ってはいけません。(書きながら、くだらねぇ、と自分で突っ込みを入れた。ごめんなさい!)

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