今、読んでいる途中だ。仕事の行き帰りの電車の中で、毎日ワクワクしながらページを捲っている。今日なんか、涙が溢れて恥ずかしかった。予選会のシーンである。
箱根駅伝を目指す弱小陸上部(なんとメンバーは10人である)の奮闘記。こういう単純で胸が熱くなるドラマに少し飢えていた気がする。読みながら素直に感動してる。
ちょっとこれからクラブの方も冬から春に向けて大会が続く時期で、今まで夏以降準備調整してきたことの、成果を見せていく時間と重なってくるだけに他人事ではなく、自分たちの問題としてこの小説が読める。弱小チームをなんとか勝てるチームにするため指導してきたつもりなのだが、なかなかうまくいかない。
でも、今は自分のやりかたが、ほんのすこしだけ浸透してきた気がする。転勤から8ヶ月。最初は彼(女)らのやりかたをずっと見て、それを受け入れるだけで、基本的には何も口出ししなかった。だから、最初の半年はきつかった。最初から自分のやりかたを強制したりするのは嫌だし、あくまでも彼(女)らのチームなのだから、今まで自分たちがしてきたことを反故にするようなことはしたくない。ただ、あまりに効率が悪くイライラの連続だった。
こんなにも我慢したのは、この15年ほどで初めてである。(前回の転勤の時も最初の1年は苦労したけど)まぁそれはそれでよかったと思っている。
この小説の主人公のひとり、ハイジはたった1人で箱根駅伝への夢を胸に秘めて3年間も我慢してきた。そしてこの春、ようやく10人のメンバーが揃う。この小説はその春から新年の箱根駅伝までの物語である。スポ根ではない。今まで高校のクラブですら走ったことのない素人軍団を率いてハイジとカケル(漢字で書くと「走」)の2人を中心にした10人が、走ることの魅力に取り付かれていく姿を描く。
今は、まだ300ページまでしか読んでないので、あと200ページも楽しめる。駅伝で言えば6区まで来たとこである。こういう素直な小説を読むと、心洗われる。
三浦しをんは昨年、エレベーター企画が『私が語り始めた彼は』を上演した時、知った。外輪能隆さんはいつも刺激的な小説を舞台化してくれる。彼に教えられて読んだ小説にハズレはない。それにしても、まだ30歳くらいの若い女性があんな小説を書いたなんて驚きだ。そして、他の作品を読んでまた驚いた。そのあまりの落差。あらゆるタイプの作品にチャレンジしているのが面白い。そして、今回はスポーツ小説である。
このジャンルの小説といえば森絵都が書いた『DIVE』。この3部作からなる小説の面白さは群を抜いてる。ジュブナイルからスタートした彼女は、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』でこのジャンルの頂点を極め、今は大人の小説でもその才能を開花させつつある。今年直木賞を受賞した『風に舞い上がるビニールシート』も素晴らしかった。そんな彼女の『DIVE』は飛び込みでオリンピックを目指す子供たちが主人公。まるで少年マンガを読むような破天荒の面白さ。
今年大ブレイクした角田光代も、もともとは児童文学からキャリアをスタートさせた。今ではよしもとばななや江国香織のような人気作家になってしまったのが、うれしい。ちょうど10年前、彼女の初期作品『ぼくはきみのお兄さん』を読んだ時の新鮮な驚き。
話がどんどん横道に逸れて行くが、今年の僕のベストワンは角田光代の『おやすみ、こわい夢を見ないように』に決定しました。詳細は年末の当ブログで公開します。さて、話をもとに戻す。
彼らは、勝つために走るのではない。強くなるために走るのだ。そして、心から走ることを楽しむためでもある。(僕が高校のクラブ活動に求めていることも、その1点に尽きる。)彼ら10人がどんな走りを見せてくれるのか、これから小説は佳境に入る。
箱根駅伝を目指す弱小陸上部(なんとメンバーは10人である)の奮闘記。こういう単純で胸が熱くなるドラマに少し飢えていた気がする。読みながら素直に感動してる。
ちょっとこれからクラブの方も冬から春に向けて大会が続く時期で、今まで夏以降準備調整してきたことの、成果を見せていく時間と重なってくるだけに他人事ではなく、自分たちの問題としてこの小説が読める。弱小チームをなんとか勝てるチームにするため指導してきたつもりなのだが、なかなかうまくいかない。
でも、今は自分のやりかたが、ほんのすこしだけ浸透してきた気がする。転勤から8ヶ月。最初は彼(女)らのやりかたをずっと見て、それを受け入れるだけで、基本的には何も口出ししなかった。だから、最初の半年はきつかった。最初から自分のやりかたを強制したりするのは嫌だし、あくまでも彼(女)らのチームなのだから、今まで自分たちがしてきたことを反故にするようなことはしたくない。ただ、あまりに効率が悪くイライラの連続だった。
こんなにも我慢したのは、この15年ほどで初めてである。(前回の転勤の時も最初の1年は苦労したけど)まぁそれはそれでよかったと思っている。
この小説の主人公のひとり、ハイジはたった1人で箱根駅伝への夢を胸に秘めて3年間も我慢してきた。そしてこの春、ようやく10人のメンバーが揃う。この小説はその春から新年の箱根駅伝までの物語である。スポ根ではない。今まで高校のクラブですら走ったことのない素人軍団を率いてハイジとカケル(漢字で書くと「走」)の2人を中心にした10人が、走ることの魅力に取り付かれていく姿を描く。
今は、まだ300ページまでしか読んでないので、あと200ページも楽しめる。駅伝で言えば6区まで来たとこである。こういう素直な小説を読むと、心洗われる。
三浦しをんは昨年、エレベーター企画が『私が語り始めた彼は』を上演した時、知った。外輪能隆さんはいつも刺激的な小説を舞台化してくれる。彼に教えられて読んだ小説にハズレはない。それにしても、まだ30歳くらいの若い女性があんな小説を書いたなんて驚きだ。そして、他の作品を読んでまた驚いた。そのあまりの落差。あらゆるタイプの作品にチャレンジしているのが面白い。そして、今回はスポーツ小説である。
このジャンルの小説といえば森絵都が書いた『DIVE』。この3部作からなる小説の面白さは群を抜いてる。ジュブナイルからスタートした彼女は、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』でこのジャンルの頂点を極め、今は大人の小説でもその才能を開花させつつある。今年直木賞を受賞した『風に舞い上がるビニールシート』も素晴らしかった。そんな彼女の『DIVE』は飛び込みでオリンピックを目指す子供たちが主人公。まるで少年マンガを読むような破天荒の面白さ。
今年大ブレイクした角田光代も、もともとは児童文学からキャリアをスタートさせた。今ではよしもとばななや江国香織のような人気作家になってしまったのが、うれしい。ちょうど10年前、彼女の初期作品『ぼくはきみのお兄さん』を読んだ時の新鮮な驚き。
話がどんどん横道に逸れて行くが、今年の僕のベストワンは角田光代の『おやすみ、こわい夢を見ないように』に決定しました。詳細は年末の当ブログで公開します。さて、話をもとに戻す。
彼らは、勝つために走るのではない。強くなるために走るのだ。そして、心から走ることを楽しむためでもある。(僕が高校のクラブ活動に求めていることも、その1点に尽きる。)彼ら10人がどんな走りを見せてくれるのか、これから小説は佳境に入る。