習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『レッド・ライト』

2013-03-12 20:38:28 | 映画
 かなり前に見たのだが、ずっと書くのを忘れてしまっていた映画だ。もちろんつまらないわけではない。ただ、同じ日の直前に見た『ゼロ・ダーク・サーティ』があまりに凄かったので、家に帰ってその衝撃の話をすぐに書いたら、その日は、それだけで満足してしまったのだ。そして、今日に到る。あれからもう何週間経つのだろうか。

 ということは、やはりこの映画を見たことを忘れていたという話になる。済まない。

 この嘘くさい映画は、これはこれで面白いのだ。期待したらがっかりするけど、何も考えずに見たなら、結構拾い物だ。特に前半はおもしろい。インチキ超能力者を科学的に粉砕する2人組の話で、シガニー・ウィーバーが、とてもおばさん化していて、驚くが、でも、久々の彼女の登場に、しかも、大活躍するしで、実に楽しい。その相棒を演じる気の弱そうな兄ちゃんをキリアン・マーフィという人が演じる。実は、彼こそが本編の主人公なのだ!

 宣伝ではロバート・デ・ニーロが超能力者の役で、主人公のように前面に出ているけど、それは嘘。だまされた。大体、デニーロはなかなか登場しない。しかも、デニーロの登場と入れ替わりで、シガニー・ウィーバーが死んでしまうのだ。それって、詐欺じゃん。あり得ない展開だ。シガニー対デニーロのバトルを期待してたのに、ありえない。騙された。もう、これはだまされてばかりの映画だ。

 お話自体が嘘超能力者に騙されるな、というような話なのだが、それとこれとは別。もちろん先生(シガニーね)を失った主人公が、単身でデニーロの超能力者の嘘を暴く、というお話がこの映画の本筋なのだから、僕の期待する話は、この映画は最初から避けていたようなのだ。でも、なんでそうなるのか、がっかりだ。『キングコング対ゴジラ』を見に行ったのに、両者が戦わないまま終わる映画を見せられた気分だ。


 もちろん、それでも映画自体がおもしろければ、それだけで帳消しにしてあげる。なのに、である! 映画は、デニーロが登場したところからつまらなくなるのだ。それって、踏んだり蹴ったりじゃないか。さすがデニーロ、と思えたなら充分。だって、見る前はこれをデニーロ映画だ、と思っていたのだから。最初にも書いたけど、シガニーおばさんが出てることすら知らなかったのだ。でも、あのシガニーを見た以上、最初の30分ほどで、彼女を失うのは痛い。あまりの痛手だ。取り返しがつかない。

 この映画の最初は、シガニー演じる博士が、いろんな超能力者や超常現象の謎を解く、というお話なのだ。テンポよく描かれる導入部はとてもいい。それだけに、本題であるデニーロとのバトルがないのは、がっかりなのだ。ラストで『シックス・センス』かい、と突っ込みたくなるオチも、なんだかなぁ、である。

 やはりこれでは忘れられても仕方のない映画かもしれない。

 

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