まさかこのタイトルでこのサブタイトル付き。作者名も「これって何?」って感じ。カバーのイラストも可愛いし、メルヘン満載感いっぱいのマイナビ出版という知らなかった出版社から出ている文庫本。それをたまたま読むことにした。
よくある『深夜食堂』っぽいタイプの小説だ。癒し系の軽い読み物。通勤電車用に読み始めた。予想通りほっこりする安眠ストーリーで、たまには息抜きにちょうどいい。というか、今は人生そのものが息抜きのような毎日を過ごしているのだけれども。
さて、本編は5話からなる連作だ。1話は50ページほどで今の通勤電車の片道でちょうど読めるし、夜寝る前のベッドで横になって読んでそのまんま寝るのにもいい。ということで2日楽しく過ごせた。
5話は連作だが、完全な長編スタイル。話はつながり、ラストに至る。あり得ないファンタジーだけど、各話のゲストもつながり大団円はこれまでの謎解きになる。3匹のぬいぐるみ。深夜に現れる不思議カフェ。ぐっすり眠れますようにいただくおやすみセット。イケメンの気の弱そうなマスター。話の展開が心地よくサクサク流れる。軽快なテンポは気持ちいい。
主人公の守里はワーカーホリック。好きで入ったイベント会社なのに、辞めたいと思っている。クタクタの彼女はある夜、ぬいぐるみがしゃべる不思議カフェに辿り着く。まぁよくある定番が展開する。カフェの気の弱そうなイケメン店長を密かに好きになるが、彼は実は,,,
何の引っ掛かりもなく、さらりと読めるし、当たり障りなく少しだけいい気分になれる。それだけの小説だが、これはこれで貴重なお話。気持ちよく癒される。悪くない。