このなんだかまるでやる気のないようなタイトルに心惹かれて読み始めて、やはりまるでやる気のないようないいかげんな小説のユルユル感に、最初は戸惑いながらも、でも、徐々に「まぁ、これはこれでいいかぁ、」とあきらめる。
そんなふうに書き出すとこれはとんでもなくつまらない小説に思えるが、そうではない。これは確信犯の所業だ。ただ、あまり上手くないから、少しダレる。5話からなる短編集、というスタイルだが、最後まで読むと、ちゃんと起承転結を持つ長編小説仕様になっている。書き下ろしである4,5話目が、全体をまとめるポジションを担い、うまく構成を保った。だらだら同じトーンで1話完結の連作にされると、飽きてくる。その直前でちゃんと転調し、収める。なかなか上手い。
最近は読みやすいからか、こういうタイプの小説が多い。(というか、僕がそういうタイプの小説ばかり読んでいるだけか、)悪くはないけど、少し食傷気味だ。
でも、中途半端に近未来の設定が効果的で、このうそ話にはそれが効果的。悪くはない。主人公は27歳の無職の女。彼女が百歩七嘘派家元であり、職安特命相談員でもある正体不明の男、蛇足軒の秘書となり、特殊人物(各エピソードを担う)の就職斡旋を行う、というお話。実にバカバカしい。でも、なんだかホンワリしていて、読んでいるうちに(どうでも)いい気分にさせられる。
この作家はもっとバカバカしくて、切実になると、万城目学にもなれる。(でも、森見登美彦にはなれない)そのようなタイプの作家で、それなりの傑作誕生、とも言える、といいけど、実はそこまではいかない。
そんなふうに書き出すとこれはとんでもなくつまらない小説に思えるが、そうではない。これは確信犯の所業だ。ただ、あまり上手くないから、少しダレる。5話からなる短編集、というスタイルだが、最後まで読むと、ちゃんと起承転結を持つ長編小説仕様になっている。書き下ろしである4,5話目が、全体をまとめるポジションを担い、うまく構成を保った。だらだら同じトーンで1話完結の連作にされると、飽きてくる。その直前でちゃんと転調し、収める。なかなか上手い。
最近は読みやすいからか、こういうタイプの小説が多い。(というか、僕がそういうタイプの小説ばかり読んでいるだけか、)悪くはないけど、少し食傷気味だ。
でも、中途半端に近未来の設定が効果的で、このうそ話にはそれが効果的。悪くはない。主人公は27歳の無職の女。彼女が百歩七嘘派家元であり、職安特命相談員でもある正体不明の男、蛇足軒の秘書となり、特殊人物(各エピソードを担う)の就職斡旋を行う、というお話。実にバカバカしい。でも、なんだかホンワリしていて、読んでいるうちに(どうでも)いい気分にさせられる。
この作家はもっとバカバカしくて、切実になると、万城目学にもなれる。(でも、森見登美彦にはなれない)そのようなタイプの作家で、それなりの傑作誕生、とも言える、といいけど、実はそこまではいかない。