5つのエピソードからなる短編連作スタイル。大きな事件を核にした1本の話としては構成しない。発表会でのビデオラインを巡るお話が最初と最後で描かれるけど、それがこの作品の核を為すというわけではない。一見ささやかな話の積み重ねから、問題の本質に迫る。
支援学校の休憩室としても利用されている会議室。そこに集まる先生たち。さまざまな問題を抱える学校現場の内実がさらりとしたタッチでスケッチされていく。大仰な問題提起とか内部告発とか、そんなのはしない。でも、今、教師がどれだけ困難な状況に置かれているのかが、わかりやすく、さりげなく伝わるように作られている。
現役教員でもある作、演出の中村賢司さんの現状への怒りがこの作品の底辺にはあるのだが、そこは抑えて、静かなタッチで、深くは追わずにいくつもの問題を見せていく。特別支援学校という特殊な環境を舞台にしているが、ここで描かれることは今の学校現場では普遍的な問題である。それを支援学校というある種特殊な環境から、ピンポイントで見せる。担任の先生たち、教頭、外部の講師、事務職員。さまざまな立場の人たちがここには登場する。それぞれの立場が交錯する。
舞台美術は、この部屋を、まるで檻に中のように見せる。そこにいる教師たちは、このタイトルからの連想で、檻の中で飼われたライオンなのか。彼らはここに帰ってきて休息し、ここを出て教室へ行く。そこに象徴されるものが、この作品の確信を貫く。
中村さんは、まず、この現状を知らせたかったのだ。そのうえで、何が必要なのかを、みんなで考える必要がある。立場が変われば見えないものは多々ある。だが、自分の立場からしか物事を見ないようでは何も変わらない。
支援学校の休憩室としても利用されている会議室。そこに集まる先生たち。さまざまな問題を抱える学校現場の内実がさらりとしたタッチでスケッチされていく。大仰な問題提起とか内部告発とか、そんなのはしない。でも、今、教師がどれだけ困難な状況に置かれているのかが、わかりやすく、さりげなく伝わるように作られている。
現役教員でもある作、演出の中村賢司さんの現状への怒りがこの作品の底辺にはあるのだが、そこは抑えて、静かなタッチで、深くは追わずにいくつもの問題を見せていく。特別支援学校という特殊な環境を舞台にしているが、ここで描かれることは今の学校現場では普遍的な問題である。それを支援学校というある種特殊な環境から、ピンポイントで見せる。担任の先生たち、教頭、外部の講師、事務職員。さまざまな立場の人たちがここには登場する。それぞれの立場が交錯する。
舞台美術は、この部屋を、まるで檻に中のように見せる。そこにいる教師たちは、このタイトルからの連想で、檻の中で飼われたライオンなのか。彼らはここに帰ってきて休息し、ここを出て教室へ行く。そこに象徴されるものが、この作品の確信を貫く。
中村さんは、まず、この現状を知らせたかったのだ。そのうえで、何が必要なのかを、みんなで考える必要がある。立場が変われば見えないものは多々ある。だが、自分の立場からしか物事を見ないようでは何も変わらない。