とうとう完結編。「インク3部作」のたどりついたところ。冒険は続くけど、なんだかここに至って、旅は停滞したまま。六番目のブルーの謎の解明はなされるみたいだけど、そこにはあまり意味はない。14歳のオリオはジャン叔父さんとインクを探して旅をしていた。亡くなった師匠ベルダさんの幻のインク。
吉田篤弘ワールドを彷徨い歩いて辿り着く果て。読み始めは少し戸惑いがあった。前回からもう1年以上経っていて、細かい話は忘れている。なのにお話は前回の続きからいきなり始まっている。だけど徐々に大丈夫だとわかる。これは夢の中のお話のようなものでつながりとか整合性とかあまり気にする必要はない。ただなんとなく読めばいいから。
林檎の話へと収斂されていく。坂の上の迷路の町、林檎工場に向かう。ハルカとカナタが同一人物で、幻の林檎から第6のインクの秘密が明らかになるラストまでは一気。
無事お話は完結する。オリオはココノツのところに戻ってきて日常が帰ってくる。だけど冒険の旅は終わらない。人生のすべてが旅だからだ。オリオは「僕というひとりの人間を一生かけて探索したい」と言う。その通り。芭蕉おじさんも人生は旅と言ってるしね。