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映画・演劇のレビュー

舞台処女『看板BOY』

2014-07-07 19:02:11 | 演劇
20年間ひきこもったままの男。たったひとりの肉親である母の死によって天涯孤独になったとき、彼は自分の意志で部屋を出ていく覚悟をする。もう彼を守ってくれた母親はいない。自分の足で立ち、行きなくては、ここで餓死するしかない。必要に迫られたからの選択ではない。(客観的には、そうとしか見えないけど)

何が彼を追い詰めたのか。なぜ、彼が生きる決意をしたのか。その一番大事な部分が曖昧なままなのが気になる。だが、それは敢えてそういう選択をした。脚本、演出の断寝俊太郎さんは、彼の内面に迫るような作劇はしない。そこを敢えてぼかしたままで彼をこの世界に放り出すのだ。

これは『不思議の国のアリス』のお話を題材にした作品だ。アリスの話のほうに気を取られてしまって、その一番大切な部分をおざなりにしたわけではない。メイド喫茶で働くアリスは、マンホールの穴に落されて、男の妄想の世界を彷徨うことになる。彼女は現実の世界に戻るため、ひきこもりの男の部屋に向かう。

久々に見た舞台処女の作品は、泥臭い芝居で、あまり進歩がない。だが、変わることなく、自分の芝居を追い続ける堀川さん(断寝俊太郎)の芝居は嫌いではない。見てよかった。昔ながらのこういう芝居を見ると、なんだかほっとさせられる。




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1 コメント

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ご来場ありがとうございました! (舞台処女堀川です)
2014-07-08 09:12:24
このたびはご多忙の中ご来場いただき誠にありがとうございました!
広瀬さんに舞台処女の作品をご観劇いただくのはスペースゼロがあった頃以来なので、たぶん十年ぶりぐらいですよね。
見ていただけて本当にうれしかったです。
ありがとうございました。

作劇についての温かいご指摘、ありがたく頂戴いたしました。
最近は若い劇団員に引っ張られながら四苦八苦して作品を作っておりますが、
また新たな挑戦もしていきたいと考えております。

今後もご愛顧いただけますよう劇団員ともども精進してまいりますので、これからもご厚情賜りますようお願い申し上げます。
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