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映画・演劇のレビュー

『キャプテンアメリカ ウインターソルジャー』

2014-05-08 21:19:46 | 映画
 『アメイジング・スパイダーマン2』を見るつもりだったけど、この映画が気になって、選択を変更した。もちろん、こちらにして正解だった。同じようなヒーローものだが、この映画のアプローチには感動した。斬新だ。アメコミの映画化は疲れを知らない。怒濤のように押し寄せてくる。でも、どれを見てももう同じようのものばかりで、感動はない。もちろん、ノーランの『バットマン』シリーズのような別格はあるけど、それは例外中の例外だ。ほかの映画は大同小異。

 そんな中で、マーベルコミックの一角から、こういう変わり球が登場した。スーパーヒーローものではあるけど、ほかのキャラクターと違ってこの主人公はあまり強くないのがいい。でも、バットマンやゼブラーマンのように普通の人間ではない。確かに超人なのだが、生身の人間に近い。この映画はそういう微妙なキャラクターを生かしてお話を作ることに成功した。派手なアクションやCGにはもう驚かない以上、今この手の映画は手詰まりであることは明白だろう。だが、突破口がないわけではない。それはお話で見せる、という実に当たり前の手だ。だが、この当たり前が実は何よりも有効なのである。「アベンジャーズ以外全員敵」というキャッチフレーズで、絶体絶命のピンチに立たされたキャプテンアメリカが、ブラックウイドゥーと共に、最強の敵と戦う。

 アクションの過激さも魅力だがそこにはちゃんと痛みが伴うのがいい。特にフューリー長官がめちゃめちゃにやられるシーンは凄い。どんだけやるんじゃ、と言いたくなる。派手なアクションを見せるのではなく生身の人間の痛みが伝わるようなスタントなのだ。全編がそういうふうに作られてある。単純なヒーローものなのだが、お決まりの展開であろうともそれがリアルな感情に裏付けされてあるから、嘘臭くはならない。

 エンドロールの後のしつこいくらいの予告編的エピソードは正直言うと「少しうざい」と思うけど、これもまたサービス精神旺盛なこの映画のもてなし方なのだと思うと、それもまぁ許せる。


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