タイトルである『ビルマVJ』のVJってビデオ・ジャーナリストのことらしい。なんとシンプルなタイトル。これは軍事政権下ビルマ(ミャンマー)でレジスタンス活動をするグループを描くドキュメンタリーだ。警察の目を盗んで隠しカメラで町の様子を撮影する。デモや反政府的行動を撮影し、そのビデオを政府の目を盗んで国外に持ち出す。国外でこの国の悲惨な現状を伝えるため命を張って戦う人々の姿を描く。海外メディアにこの国の報道が可能だったのは彼らの活動のおかげだ。2007年9月の大規模なデモ。僧侶たちがこの国を変えようと民衆を巻き込んで革命を起こそうとする。
だが、この圧倒的な反政府的行動は革命にはつながらない。この映画はジョシュアと呼ばれる「ビルマ民衆の声」のメンバーである青年を主人公にして彼らの活動を追う。再現フィルムスタイルも交えながら、この緊張感溢れる現実を我々に訴えかける。長井健司さんが撃たれた瞬間も当然ここには収められてある。彼らが撮影し世界に配信したからだ。今も尚混迷を極めるビルマの現状がリアルに伝わる迫真のドキュメンタリーである。
1本の映画としては、残念ながら完成度は高くはない。だが、事実の記録として圧倒的に迫ってくるものがある。何が必要かと言えば、後者であろう。僕たちの知らないことをきちんと伝えようとするこの映画の使命は充分に達成されている。現実は思うようにはいかない。ビルマの民主化は進まない。この後どんな現実が起きているのか、僕たちは何も知らない。タイに逃れたジョシュアが再び国内に入り、どんな活動をするのか。そこにはフィクションではないのだから、ドラマチックな展開はない。彼らはただひたすら現実をカメラに収める。その圧倒的な事実の重みのよって世論に訴えかける。軍事的行動によるレジスタンスではない。だが、そんな彼らの命懸けの活動がどんなふうにこの国を動かしていくのか、気になる。
だが、この圧倒的な反政府的行動は革命にはつながらない。この映画はジョシュアと呼ばれる「ビルマ民衆の声」のメンバーである青年を主人公にして彼らの活動を追う。再現フィルムスタイルも交えながら、この緊張感溢れる現実を我々に訴えかける。長井健司さんが撃たれた瞬間も当然ここには収められてある。彼らが撮影し世界に配信したからだ。今も尚混迷を極めるビルマの現状がリアルに伝わる迫真のドキュメンタリーである。
1本の映画としては、残念ながら完成度は高くはない。だが、事実の記録として圧倒的に迫ってくるものがある。何が必要かと言えば、後者であろう。僕たちの知らないことをきちんと伝えようとするこの映画の使命は充分に達成されている。現実は思うようにはいかない。ビルマの民主化は進まない。この後どんな現実が起きているのか、僕たちは何も知らない。タイに逃れたジョシュアが再び国内に入り、どんな活動をするのか。そこにはフィクションではないのだから、ドラマチックな展開はない。彼らはただひたすら現実をカメラに収める。その圧倒的な事実の重みのよって世論に訴えかける。軍事的行動によるレジスタンスではない。だが、そんな彼らの命懸けの活動がどんなふうにこの国を動かしていくのか、気になる。