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映画・演劇のレビュー

『新感染半島 ファイナルステージ』

2021-01-18 20:32:05 | 映画

この時期にこういう映画が作られて公開されるってなんだか凄いことだ。前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』も凄かったけど、今回の振り切れ方は凄まじい。見ながらあきれ果てる。そこまでやるのか、と思いつつ、拍手する。ただラストはさすがにしつこいし、ご都合主義でやり過ぎ。終末ものやゾンビ映画が大流行だが、エンタメとして見せるから大丈夫。だけど、コロナ禍でこれはないわ、とも思う。

前作は列車内という閉鎖空間でのパニック映画だったが、今回は感染され隔離された朝鮮半島が舞台となる。取り残された場所で今も生きる人間たちと、圧倒的多数の感染者たち(ゾンビね)の戦いである。どうして国ごと見棄てられたのか、世界はどうなっているのか、とかいう背景をもっとちゃんと描いてくれたなら、お話にリアリティが生じたのだが、そこをわざとおざなりにしている気がした。感染していない被災者を乗せた最後の船が出航するところから始まり、その船に感染者がいてパニックになる、という冒頭部分はおもしろい。前作が列車で今回は船という『スピード』のパターンか、と思わせて、本題はやはりタイトル通り「半島」に舞台を移す。

香港からここにやってきてトラックに積まれたままの大金を回収して戻ってくるまでのお話。いろんなところで見たような設定で目新しさはない。だけど、ド派手なカーチェイスや圧倒的なゾンビたちの姿は見ものだし、物量作戦で乗り切ったのはあっぱれ。スケールアップは残念ながら映画自体の完成度に比例しないけど、それなりには楽しめるし、2時間はあっという間の出来事だった。お正月向けの娯楽映画としては及第点をあげられる。

 

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