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映画・演劇のレビュー

『一枚のめぐり逢い』

2012-06-19 21:11:17 | 映画
 特別取りたてて褒めるような映画ではない。でも、こういうアメリカ映画が、僕は好きだ。いかにもアメリカ映画が大好きなパターンのお話だ。あまりに予定調和過ぎて、なんだがなぁ、とも確かに思う。

 しかし、こういうハートウォーミングを、きちんと作った時、ただの甘いだけの映画ではなく、それは「生きる勇気」を与えてくれるものとなる。今年のお正月映画で、今ちょうどレンタルが始まった『リアルスティ-ル』も、よく似たタイプの映画だ。そして、あれもいい映画だった。


 イラクの戦場で、1枚の写真があるひとりの海兵隊の青年の命を救った。もちろん、そんなことはただの偶然である。だが、生きて戻ってきた彼は、自分の生きている理由をどこかに求めたい。そこで彼は、その写真に写った女性を探し出すことにする。ただ、お礼が言いたい、ただそれだけだった。だが、探し当てた彼女は彼を職を探してやってきた流れ者だと思う。彼は彼女のところで働くことになる。

 人手不足の彼女のもとで(犬を預かり、訓練とかをする施設)働き、この村に住みつき、一緒に生活をしていくうちに、徐々にそこには恋が芽生える。もう定番過ぎるお決まりのパターンである。だが、それがなんだかとても心地よいのだ。彼女の息子との友情とか、もう見え見えの展開、さらには彼女の別れた旦那が絡んできて、嫌がらせするとか、どこかにマニュアル本があり、それに書かれてあるように台本を作ったのではないか、と思わせえるほどの究極のワンパターン。

 でも、このお約束にちゃんと乗せられて、最後まで見たら、ちょっと泣ける。たまには、こういう癒し系も悪くはないのではないか。自然は美しいし、主人公の2人も好ましいし、憎らしいもと旦那にも、ラストでほんのちょっといい所を見せさせてあげるし。

 でも、今時こんな映画は流行らない。公開2日目の日曜日なのに、劇場はがらがらだった。大体こんなのも地味な映画である。よく劇場公開できたものだ。そっちの方が奇跡だ。




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