入江悠監督の初メジャー映画だ。しかも彼はこの後1月、東宝のスパイアクション大作である『ジョーカー・ゲーム』の公開を控えている。これからもたぶん怒濤の快進撃を続ける彼の記念すべきメジャーデビューを目撃せよ!
と、いうことで、なんばパークスシネマに行く。本当は大阪ステーションシティシネマで見たかったのだが、もう上映が終わっていた。と、いうか、この日でパークスも終了なのだ。5時20分の回の1回上映だけだし。公開からたった4週間で打ち切りになるという残念な結果になったけど、映画自体は当然のことだが、おもしろい。と、いうことにしておこう。
この映画を面白がれるかどうかは、かなり微妙なのだ。怒り出す人もたくさんいるだろう。この映画を製作した松竹映画のお偉方はきっとご立腹なのではないか。明るく健全な娯楽を提供してきた松竹からこんなバカな映画送り出すだなんて、許さない、と。もし城戸社長が生きていたなら上映させないのではないか。そんなこんなの下品でめちゃくちゃな映画なのである。
でも、映画からは、入江監督のロックスピリッツ(それってなんだ? って感じなのですが)は、十分に伝わってくる。とっても熱い映画なのだ。ストーリーも表現も言語道断のバカバカしさ。でも、これがあり得るのは、主人公の日々沼(野村周平)の生きざまに共感できるからだ。
田舎から東京に出てきてロックミュージシャンを目指す3人組が主人公。ライブハウスで働きながら、ステージに立つ。まるで芽が出ないけど、めげない。いつかビッグになってやる、と思っている。でも、実はヘタレ。自分に自信はないし、東京という大きな町に飲み込まれて、ただ毎日をアップアップしながら生きているだけで精いっぱい。だから、やがて、壊れてしまう。定石通りの展開が待っているはずだった。
だが、ある少女(二階堂ふみ)と出会い、彼の人生は変わる。そんなふうに書くと、それもまた映画の定石ではないか、と思うだろうけど、この少女が日々沼以上にめちゃくちゃな女でしかも、アイドル。そんな彼女に引っ張られて彼は本当の自分を知る。
これはそこらによくあるような、彼らのバンドが有名になり成功する、という話ではない。クライマックスは嵐の中で彼女のために歌うシーンだ。バカバカしいにも程がある。でも、そんなバカを本気で見せる。僕たちはこのバカな映画にとことん付き合うことになる。最初から最後までバカのオンパレードだ。いいかげん、あきれるけど、でも、バカがこんなにも愛おしい。ふざけてないからだ。本気で自分たちのロックを信じているからだ。才能なんかなくてもいい。でも、熱い情熱があれば、伝わる。そんな甘いことを考えてしまうほどにこの映画の少年たちは純粋なのだ。はだかになって、ギターだけを持って、唾を撒き散らして、涎も垂らして、歌い続ける。なんだこいつは、と思う。でも、誰も彼を止められない。
と、いうことで、なんばパークスシネマに行く。本当は大阪ステーションシティシネマで見たかったのだが、もう上映が終わっていた。と、いうか、この日でパークスも終了なのだ。5時20分の回の1回上映だけだし。公開からたった4週間で打ち切りになるという残念な結果になったけど、映画自体は当然のことだが、おもしろい。と、いうことにしておこう。
この映画を面白がれるかどうかは、かなり微妙なのだ。怒り出す人もたくさんいるだろう。この映画を製作した松竹映画のお偉方はきっとご立腹なのではないか。明るく健全な娯楽を提供してきた松竹からこんなバカな映画送り出すだなんて、許さない、と。もし城戸社長が生きていたなら上映させないのではないか。そんなこんなの下品でめちゃくちゃな映画なのである。
でも、映画からは、入江監督のロックスピリッツ(それってなんだ? って感じなのですが)は、十分に伝わってくる。とっても熱い映画なのだ。ストーリーも表現も言語道断のバカバカしさ。でも、これがあり得るのは、主人公の日々沼(野村周平)の生きざまに共感できるからだ。
田舎から東京に出てきてロックミュージシャンを目指す3人組が主人公。ライブハウスで働きながら、ステージに立つ。まるで芽が出ないけど、めげない。いつかビッグになってやる、と思っている。でも、実はヘタレ。自分に自信はないし、東京という大きな町に飲み込まれて、ただ毎日をアップアップしながら生きているだけで精いっぱい。だから、やがて、壊れてしまう。定石通りの展開が待っているはずだった。
だが、ある少女(二階堂ふみ)と出会い、彼の人生は変わる。そんなふうに書くと、それもまた映画の定石ではないか、と思うだろうけど、この少女が日々沼以上にめちゃくちゃな女でしかも、アイドル。そんな彼女に引っ張られて彼は本当の自分を知る。
これはそこらによくあるような、彼らのバンドが有名になり成功する、という話ではない。クライマックスは嵐の中で彼女のために歌うシーンだ。バカバカしいにも程がある。でも、そんなバカを本気で見せる。僕たちはこのバカな映画にとことん付き合うことになる。最初から最後までバカのオンパレードだ。いいかげん、あきれるけど、でも、バカがこんなにも愛おしい。ふざけてないからだ。本気で自分たちのロックを信じているからだ。才能なんかなくてもいい。でも、熱い情熱があれば、伝わる。そんな甘いことを考えてしまうほどにこの映画の少年たちは純粋なのだ。はだかになって、ギターだけを持って、唾を撒き散らして、涎も垂らして、歌い続ける。なんだこいつは、と思う。でも、誰も彼を止められない。