東京都現代美術館で開催中(9月27日から2015年1月4日まで)のこの企画展が面白い。こういうマイナーな催しを3カ月以上に亙って開催し、確実に観客を動員するってところが東京の凄さだろう。大阪でこの企画は成り立たない。ここは「ゴンドリーってだれ?」の世界だから。
全体は3部構成になっていて、最初の1000人の似顔絵にまず驚かされる。こんなことをする人がいるんだ、という単純な驚きだ。生きていればたくさんの人たちと出会う。そのひとりひとりの似顔絵を残すなんて思いもしないもちろん、彼が今まで出会った人が1000人、というわけではない。(そんなの当然だ)でも、この1000という数字は天文学的に凄い、と思う。果てしない、に通じる。もちろん、本当に果てしない人たちとの出逢いから人生は成り立っているけど、そんなことには普段、思いを止めたりもしない。でも、ゴンドリーは違う。そんなことのひとつひとつが大切だ、と思っている。壁一面の似顔絵の数々に圧倒される。もうそれだけで、僕は大満足だ。だが、これはただのプロローグでしかない。
次に現れるのは、彼が制作したいくつもの(正確には19らしい)ミュージックビデオをコラージュしたスペースだ。入り口でヘッドフォーンを貰う。それを装着してみる。いくつものスクリーンがある。観客は任意にその前に立ち止まる。すると、音が溢れる。目の前の映像の洪水と溢れだす音の洪水。その相乗効果。しかも、いくつものスクリーンが配置され、どんどん渡り歩くことになる。同じ映像が無作為に溢れている。最初の位置で一周した後、それぞれの位置でザッピングしながら、見る。歩きながらゴンドリーの世界を一周するのだ。楽しい。果てしないイマジネーションの世界を走り抜ける快感。このゴンドリーの仕掛けるいたずらな迷路の中でずっと遊んでいたい、と思わせる。
さらには次のコーナー。なんと映画のセットがフロアいっぱいに作られてある。みんなは思い思いに好き勝手にそのセットを使い、映画を作っていい。スマホ片手にホームムービー撮影に勤しむ。ここはそんな夢の工場なのだ。ここでも、ずっと遊んでいたい。現にいつまでもここを去らずに遊んでいる人たちがいる。(ホームムービー・ファクトリー・ワークショップも随時開催されている)好きなだけ触って遊んでいいというのが素晴らしい。ふつう美術展とか行くと、触るな、と怒られるのが常だ。(というか、当たり前のことだが)でも、ここではどんどん触れ、と言われる。ゴンドリーの映画の世界に入ったような気分にさせられるかわいいアイテムが並ぶ。最後にあるビデオショップのセットが最高におかしい。ここはもう、遊び心満載の空間なのだ。
そして、最後は、実際のおもちゃだ。ゴンドリーが作った映画で使われた小道具が展示される。最新作『ムード・インディゴ うたかたの日々』の数々のガジェットが並ぶ夢の空間だ。(『恋愛睡眠のすすめ』の1秒タイムマシーンもある!)映画を思い出しながら、あの作品を彩るこれら数々の「おもちゃ」を楽しむ。もう一度あの映画が見たくなる。
たった1時間しか滞在できなかったけど、それでも十分満足した。でも、本当は、もっともっと時間があれば、よかった。残念なことをした。こんなにも楽しい遊び場だとは思いもしなかったから、うれしい誤算だ。これから行く人は、ぜひ、十分時間を使って遊んできて欲しい。
全体は3部構成になっていて、最初の1000人の似顔絵にまず驚かされる。こんなことをする人がいるんだ、という単純な驚きだ。生きていればたくさんの人たちと出会う。そのひとりひとりの似顔絵を残すなんて思いもしないもちろん、彼が今まで出会った人が1000人、というわけではない。(そんなの当然だ)でも、この1000という数字は天文学的に凄い、と思う。果てしない、に通じる。もちろん、本当に果てしない人たちとの出逢いから人生は成り立っているけど、そんなことには普段、思いを止めたりもしない。でも、ゴンドリーは違う。そんなことのひとつひとつが大切だ、と思っている。壁一面の似顔絵の数々に圧倒される。もうそれだけで、僕は大満足だ。だが、これはただのプロローグでしかない。
次に現れるのは、彼が制作したいくつもの(正確には19らしい)ミュージックビデオをコラージュしたスペースだ。入り口でヘッドフォーンを貰う。それを装着してみる。いくつものスクリーンがある。観客は任意にその前に立ち止まる。すると、音が溢れる。目の前の映像の洪水と溢れだす音の洪水。その相乗効果。しかも、いくつものスクリーンが配置され、どんどん渡り歩くことになる。同じ映像が無作為に溢れている。最初の位置で一周した後、それぞれの位置でザッピングしながら、見る。歩きながらゴンドリーの世界を一周するのだ。楽しい。果てしないイマジネーションの世界を走り抜ける快感。このゴンドリーの仕掛けるいたずらな迷路の中でずっと遊んでいたい、と思わせる。
さらには次のコーナー。なんと映画のセットがフロアいっぱいに作られてある。みんなは思い思いに好き勝手にそのセットを使い、映画を作っていい。スマホ片手にホームムービー撮影に勤しむ。ここはそんな夢の工場なのだ。ここでも、ずっと遊んでいたい。現にいつまでもここを去らずに遊んでいる人たちがいる。(ホームムービー・ファクトリー・ワークショップも随時開催されている)好きなだけ触って遊んでいいというのが素晴らしい。ふつう美術展とか行くと、触るな、と怒られるのが常だ。(というか、当たり前のことだが)でも、ここではどんどん触れ、と言われる。ゴンドリーの映画の世界に入ったような気分にさせられるかわいいアイテムが並ぶ。最後にあるビデオショップのセットが最高におかしい。ここはもう、遊び心満載の空間なのだ。
そして、最後は、実際のおもちゃだ。ゴンドリーが作った映画で使われた小道具が展示される。最新作『ムード・インディゴ うたかたの日々』の数々のガジェットが並ぶ夢の空間だ。(『恋愛睡眠のすすめ』の1秒タイムマシーンもある!)映画を思い出しながら、あの作品を彩るこれら数々の「おもちゃ」を楽しむ。もう一度あの映画が見たくなる。
たった1時間しか滞在できなかったけど、それでも十分満足した。でも、本当は、もっともっと時間があれば、よかった。残念なことをした。こんなにも楽しい遊び場だとは思いもしなかったから、うれしい誤算だ。これから行く人は、ぜひ、十分時間を使って遊んできて欲しい。