習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』

2011-01-03 14:23:25 | 映画
 ウルトラシリーズ45周年(だったっけ?)とか、映画の最初に出てくる。そうか、そんなになるのか、と感心する。だが、これはそれを記念した大作映画、というわけではない。だいたい45年なんて、なんだか半端すぎる。いっそのこと50周年とかなら、もっと分かりやすい。わざわざこういう冠はいらない。だいたいこれはいつものルーティーンワークの1本でしかないのだし。

 なんて、言いながら、もう10年くらい映画のウルトラマンは見ていない気がする。ほんとうに久しぶりだ。TVシリーズだって、三池崇史が監督する、とかで評判になった時以来、見たこともない。

 だが、これが「ルーティンワークでしかない」ことなんて一目瞭然だ。せめてもう少し作り手の熱い想いでも込められていたなら、話にものめり込めたはずだが、これでは安易な特撮(今ではこんなふうに簡単にそこそこの映像が作れるようだが)同様、まるでだめだ。この拘りのなさにそれを求める余地はない。所詮子供向けの映画だから、と切り捨てるのは簡単だ。大人の僕が見るものではない、と。だが、幼い頃から『ウルトラマン』で育ってきた僕ら世代にとって、『ウルトラマン』というものは、ただの子供向けの特撮番組ではない、という想いがある。これでは、故、実相時昭雄監督にも失礼だ。今回の中途半端さは許し難い。CG映画はなんともペラペラ過ぎて、まるで迫力がないのも気になる。

 それにしても、こんなにもいろんなウルトラマンがいたなら、もうどうしようもない。僕にはまるで区別がつかないし、何よりも、ウルトラマンという存在に対する有り難みが薄れてしまわないか。

 どこかで見たような話をコラージュして、それなりの大作感を出してみたところで、意味はない。ウルトラマンであることの意味がここにはまるでない。ミラーマンとか、ガンダムみたいなのが、一緒になって戦うとか、ありえない。だいたいセブンの息子という設定もそれだけだし。安易過ぎてため息が出た。ヒロインの女の子が可愛かったのだけが救いだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2010小説ベスト30 | トップ | 『ソラニン』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。