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映画・演劇のレビュー

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』

2010-12-11 19:07:45 | 映画
 公開直前になって3D上映が中止になってしまった。技術的な問題で、とかいうことだが、要するに時間が足りなかったようだ。公開日を遅らすことはできないから、間に合わないまま2Dで上映が始まったということみたいだ。でも、だれもそんなこと気にもしていないようで映画は予定通り大ヒット公開中である。

 このお正月ナンバーワンヒットが約束された『ハリー・ポッター』の最終章である。しかも、今はやりの2部構成の第1作というやつだ。このパターンは途中で話が終わりになってしまうので、もどかしくて、嫌いなのだが、映画会社はドル箱作品で2倍儲けるために必死なので、儲かると踏んだら遠慮なしだ。観客の方も好きな映画を2回楽しめるならいいよ、というノリで、受け入れている。こういう慣れ合いみたいな関係って、なんか好きでない。これでは映画としての緊張感がない、と思う。先日見た『SP』とか、これから公開される『ガンツ』とか。このパターンが続出である。『レッドクリフ』とか『チェ』とか、どうしようもない事情で2部構成になる、というのが、もともとのあり方だったのに、今では単なる金儲けの手段でしかない。情けない話だ。

 と、言いつつも今回のハリーポッターはとてもよく出来ていて2時間26分の長尺を全く飽きさせない。主人公3人によるロード・ムービーのようなスタイルになっていて、なんだか『明日に向かって撃て!』みたいでおもしろい。お子様ランチからスタートしたこのシリーズは子どもたちの成長によって、映画自体もだんだん大人の風格すら漂わせるようになってきた。串団子式のエピソードの連鎖が、今回は効果的で、分霊箱(だったっけ?)をひとつずつ集めてくるという『ドラゴンボール』みたいな話で、各エピソードがよく出来ているし、3人の淡い恋と友情の物語にもなっていて、楽しい。

 「お尋ねもの」になったハリーたちが逃亡しながら、箱を捜し出して破壊していくというパターンなので、わかりやすいし、途中で話が終わってもあまり気にならないのもいい。2時間半をたっぷりと楽しませてくれる。しかも、3Dをねらった奥行き重視の画像、視覚効果がなかなかよく出来ていて、2Dなのに、3Dのような気分で見れる。おまけとして上映された『トロン レガシー』特別映像なんかよりもこっちの方が充分3D映画っぽかったりもする。

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