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映画・演劇のレビュー

『ポリスストーリー レジェント』

2014-07-13 22:56:29 | 映画
これは言わずと知れたジャッキー・チェンの最新作で、今年のお正月、上海に行ったとき上映されていた作品だ。(『警察故事2013』というタイトルだった)とても見たいと、思ったが、絶対に日本でも上映されるし、と思い、その時は思いとどまった。でも、なかなか公開されないし、結構焦った。なんでも見たい時が見るべき時だ。我慢せずその瞬間見るべきだった。ようやく6月に日本でも公開されたけど、忙しくて先送りしていると、なんと一瞬で上映が終わるではないか。梅田では終了していて仕方なくなんばまで行く。あせって上映最終回に駆け込んだ。

 日本ではもうジャッキー映画は、大きな劇場では公開されない。なんとか公開されても、今回のように一瞬で上映が終了する。ジャッキーの時代は終わったのかもしれない。でも、ジャッキーは終わらない。

 前作でアクション映画は引退した、はずの彼が、その舌の根も乾かないうちに、また、こういうハードなアクション映画に挑む。なんなんだ、これって! でも、そんないい加減なジャッキーが好き。60過ぎても枯れて欲しくはない。これはアクションのためのアクションではなく、あくまでもストーリー重視の映画になっている。父と子の絆がテーマだ。そこを中心に据えた映画だから、ジャッキーはこの企画を選んだようだ。アクションは付随しただけだ。でも、当然彼はアクションスターだから、そこには手抜きはない。そんな、ジャッキーが好き。

 ハードな内容になっている。シリアスな展開を見せる。笑わせるなんてことは一切ない。『ポリスストーリー』シリーズは彼のキャリアにおいてとても重要なものだ。連作ではなく1作1作完結して、別のお話なのだが、警察官を主人公にして、彼がいろんな意味での限界に挑んできた。最初は派手なアクションの限界に挑むのだが、徐々にそうではなくなってきた。お話はシリアスで重くなる。変わらない、ではなく、変わり続ける。でも、変わらないところは変わらない。それでいいではないか。僕はジャッキー・チェンという生き方が好きなのだ。そんなことを再確認させられる映画だった。作品自体の出来には、必ずしも満足はしていない。でも、そんなこと瑣末なことだ。ジャッキーはこれでいい。


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