山田太一が亡くなって、倉本聰は元気に90代を迎える。富良野で暮らし始めてもう40年になるらしい。早いものだ。TVドラマの両巨匠の時代を並走した。まぁ、リアルタイムで彼らの仕事を目撃しただけだけど。そんな頃が懐かしい。
当時の僕は(今も)山田太一派だったけど、あの頃の倉本聰もすべて見た。それだけ凄かったのだ。ショーケンの『前略おふくろ様』や『北の国から』は毎週欠かさず見た。単発の日曜劇場だって倉本聰なら必ず見る。『幻の町』は忘れられない傑作である。
さて、これは久しぶりの(たぶん)エッセイ集である。この10年ほどの文章が集められてある。彼は80代になっても現役で、最前線を走る。相変わらず怒っている。ちゃんと正しく怒ってくれる大人がいるって心強い。日本のバカな政治家たちに喝を入れる。まぁあの人たちは学習機能がないから理解できないだろうけど。だけど彼らにも学んで欲しい。倉本先生の教えを。子どもにでもわかることだろうから、ね。