先週見た。『楽園』に続く瀬々敬久監督の新作だ。こういうメロドラマをなぜ、彼が引き受けたのか。よくわからないけど、ここに描かれる平成30年間は、特別なことではない。たまたま彼らが生きた時代が平成と重なったというだけのこと。そのくらいにさりげない。
2人の男女の出会いから結婚までの30年間。13歳の出会いから、始まる。別れ別れになった後の日々は別々のドラマとして交互に描かれていく。彼らがところどころで再会を繰り返すのは都合よすぎるけど(まぁ、そんなのは映画の嘘だけど、)そうでなくては映画にならない。ただ、クライマックスの再会はやりすぎ。でも、それくらいに臭い芝居をそこに用意して終わらせたかったのだろう。これは当然の現実ではない、映画としての虚構だ。気持ちよくメロドラマを楽しめばいい。
映画を見ながら、バカバカしいとは思わなかった。こんなふうに一生懸命に生きたならきっといいことが待ち受ける、そう信じてもいいではないか、と思う。2時間とすこしの時間、暗闇のなかで過ごす映画は、気持ちよくだましてくれる甘い夢の世界でいい。そういう意味でこれはよくできている。ただ、瀬々敬久監督作品としてはなんかこれだけでは納得しない。手を抜いた作品というわけではないことは重々わかるし、悪い映画ではないのだけれど。
今、しんどいからこういう映画でも見て息抜きしたいという気分だから、これでいいのだけど、予定通りなのに、不満があるという感じ。あまりこの映画について何かを書きたい気分ではない。主役の2人はとてもよかった。