木村拓哉主演の月9ドラマの原作。道尾秀介がTV局の依頼を受けてドラマ化を前提にして書き下ろした小説らしい。ミステリ作家の彼が初めて恋愛小説に挑戦したのもこの作品のウリなのだろう。ということで、TVも見ない僕がこういう「企画もの」を読んでも仕方ないのだが、まぁ、なんとなく手にしてしまったので、読み始めた。最初はやっぱり時間のムダかも、なんて思って読んでいたのだが、途中からだんだん頁をめくるスピードが加速していく。あれっ、ボク結構これに嵌っているかも、と驚く。なかなかおもしろいのである。このありきたりで作り物めいたエンタメ小説が。
3人の男女を主人公にして、それぞれが自分の生き方を巡って思索を深めていくという話の骨格がいい。ストーリー自体は、いかにも、な恋愛ものなのだが、そういう側面は意外にあっさり描かれてあるのもいい。それよりも彼らがそれぞれの立場でしっかりと悩みながら成長していく姿を描くことに主題があてられている。だから、先が気になるのだ。
青年実業家の蓮介、使い捨ての派遣社員である弥生。蓮介の会社により、仕事を失ったシュウメイ。始まりは上海を舞台にして、この3人を絡ませながら描く。彼らの視点からドラマは順繰りに語られていく。それがひとつの物語を作る。仕事をメーンにして恋愛も描くというバランスがいい。ラストのすべて円く収まるハッピーエンドも悪くはない。
ドラマのキャスティングが気になり、あとで調べると、なんと主人公である弥生の役がTVドラマ版にはない! これにはさすがに驚く。そんなことありなのか。ヒロインは小説ではちょっとしか出てこない蓮介のもと婚約者だった真絵美になっていた。(その役を篠原涼子が演じた)シュウメイは、『レッドクリフ』の中国人美人女優リン・チーリン。
3人の男女を主人公にして、それぞれが自分の生き方を巡って思索を深めていくという話の骨格がいい。ストーリー自体は、いかにも、な恋愛ものなのだが、そういう側面は意外にあっさり描かれてあるのもいい。それよりも彼らがそれぞれの立場でしっかりと悩みながら成長していく姿を描くことに主題があてられている。だから、先が気になるのだ。
青年実業家の蓮介、使い捨ての派遣社員である弥生。蓮介の会社により、仕事を失ったシュウメイ。始まりは上海を舞台にして、この3人を絡ませながら描く。彼らの視点からドラマは順繰りに語られていく。それがひとつの物語を作る。仕事をメーンにして恋愛も描くというバランスがいい。ラストのすべて円く収まるハッピーエンドも悪くはない。
ドラマのキャスティングが気になり、あとで調べると、なんと主人公である弥生の役がTVドラマ版にはない! これにはさすがに驚く。そんなことありなのか。ヒロインは小説ではちょっとしか出てこない蓮介のもと婚約者だった真絵美になっていた。(その役を篠原涼子が演じた)シュウメイは、『レッドクリフ』の中国人美人女優リン・チーリン。