
『アサルトガールズ』を見たついでに、もう1本見逃していた押井作品をレンタルしてきた。実写である『アサルト』の趣味的作りと違ってアニメーション作品はいつも本気モードだ。だから、見ていて気持ちがいい。わざとそういう使い分けをしているわけでは断じてないと思うのだが、見終わったときの印象はいつもそうだ。この作品だってそうだった。これは分類上、アニメーションとなるのだろう。だから、というわけでもなかろうが、かなり力が入っている。もう1本、これの姉妹編である『真・女立喰師列伝』という作品もあるが、あれは実写作品で、案の定つまらなかった。これはオムニバスで、押井はその内の1篇を監督している。
まぁ、本作も相変わらず蘊蓄ばかりたれているけど、こちらは1本筋が通っている。戦後の焼け跡からスタートして、現代に到るまでの立喰師たちの生き様がドキュメンタリータッチで綴られていく。過剰な思い入れもなく、ひとりひとりを冷徹にみつめていくのがいい。そこから日本の「ひとつの戦後史」が見えてくる。どこまでが本気でどこからが冗談なのかよくはわからないような映画だが、そこがおもしろい。
押井守のフットワークは軽い。特に実写映画を撮ったときの安直さには感心する。対してアニメーションを撮るときの腰の重さ。ねばりも凄い。それは趣味と仕事を使い分けているようにも見える。でも、きっとそんな安易なものではなく、僕なんかにはうかがい知れない深い人生哲学なんかがそこには隠されているのだろう。
彼とよく似た活動をする作家で、スティーブン・ソダバーグがいる。彼の『インフォーマント!』を先日見たが、なんか乗り切れなかったので、このブログには書かなかった。彼も趣味の映画と本気の映画を使い分けている。マット・デイモン主演のこの『インフォーマント!』は押井の本作と同じように、趣味と本気が融合されたパターンである。でも、こっちは僕にはその中途半端さがつまらなかった。印象だけで書いているから、まるで根拠がないのだが、ソダバーグはデビュー作『セックスと嘘とビデイテープ』や社会派映画の『エリン・ブロコビッチ』のような作品の時と、趣味の商業映画『オーシャンズ』シリーズの時との落差があまりに大きくて、いつも戸惑わされる。でも、趣味の映画までなぜか気になり見てしまう。押井の場合と同じだ。『インフォーマント!』は本気と思って見たのに、趣味作品でがっかりした。
まぁ、それが最初からわかっていても、きっとソダバーグであるというだけで、僕は見たと思う。と、いうことで、同じように文句を言いつつも、きっと押井守というだけで、すべて見る。つまらない文句を言うのなら見るな、と言われそうだが、そんなの僕の勝手だ。
まぁ、本作も相変わらず蘊蓄ばかりたれているけど、こちらは1本筋が通っている。戦後の焼け跡からスタートして、現代に到るまでの立喰師たちの生き様がドキュメンタリータッチで綴られていく。過剰な思い入れもなく、ひとりひとりを冷徹にみつめていくのがいい。そこから日本の「ひとつの戦後史」が見えてくる。どこまでが本気でどこからが冗談なのかよくはわからないような映画だが、そこがおもしろい。
押井守のフットワークは軽い。特に実写映画を撮ったときの安直さには感心する。対してアニメーションを撮るときの腰の重さ。ねばりも凄い。それは趣味と仕事を使い分けているようにも見える。でも、きっとそんな安易なものではなく、僕なんかにはうかがい知れない深い人生哲学なんかがそこには隠されているのだろう。
彼とよく似た活動をする作家で、スティーブン・ソダバーグがいる。彼の『インフォーマント!』を先日見たが、なんか乗り切れなかったので、このブログには書かなかった。彼も趣味の映画と本気の映画を使い分けている。マット・デイモン主演のこの『インフォーマント!』は押井の本作と同じように、趣味と本気が融合されたパターンである。でも、こっちは僕にはその中途半端さがつまらなかった。印象だけで書いているから、まるで根拠がないのだが、ソダバーグはデビュー作『セックスと嘘とビデイテープ』や社会派映画の『エリン・ブロコビッチ』のような作品の時と、趣味の商業映画『オーシャンズ』シリーズの時との落差があまりに大きくて、いつも戸惑わされる。でも、趣味の映画までなぜか気になり見てしまう。押井の場合と同じだ。『インフォーマント!』は本気と思って見たのに、趣味作品でがっかりした。
まぁ、それが最初からわかっていても、きっとソダバーグであるというだけで、僕は見たと思う。と、いうことで、同じように文句を言いつつも、きっと押井守というだけで、すべて見る。つまらない文句を言うのなら見るな、と言われそうだが、そんなの僕の勝手だ。