真面目に作っている。いい芝居だったとは思えないが、取り組む姿勢はとてもいいと思う。19世紀末のフランスの詩人(アルフレッド・ジャリ)が書いたという作品を現代に甦らせたものらしいが、なんだかはちゃめちゃなだけで、いったいどうなんだろう、と思う。アドリブをたくさん放り込んで自由気ままに作っているフリをしながらも、これはきっときちんとオリジナルを踏まえて作っているのではないかと思わせる。
芝居自体はひっくり返ったおもちゃ箱のような、散らかりようだが(劇団名がトイガーデンなのだから当然か)その中になぜか節度と奥ゆかしさを感じた。子供が描いたようなクレヨン画を、舞台一杯に張り並べた美術も好感が持てる。
ュヴュ王というとんでもない奴の御乱交振りを見せながら、それを壮大な大河ドラマにはしたりしない。お話自体はシェィクスピアの悲劇みたいなのに、それをただのバカ殿として見せていく。もちろんふざけているのではない。こういう作り方を敢えて選んでいるのだ。演出はそれなりのスタイルをしっかり持っている。これは、愚かな行為にふける人間を無邪気に見せる。そのための仕掛けなのだろう。
語り部である道化を演じる役者がとてもしっかりしていて、彼が作品全体をリードしていく。彼の力で作品は崩れそうになりながらも、崩れずラストまで見せていくことが出来た。気持ちのいい芝居だった。
芝居自体はひっくり返ったおもちゃ箱のような、散らかりようだが(劇団名がトイガーデンなのだから当然か)その中になぜか節度と奥ゆかしさを感じた。子供が描いたようなクレヨン画を、舞台一杯に張り並べた美術も好感が持てる。
ュヴュ王というとんでもない奴の御乱交振りを見せながら、それを壮大な大河ドラマにはしたりしない。お話自体はシェィクスピアの悲劇みたいなのに、それをただのバカ殿として見せていく。もちろんふざけているのではない。こういう作り方を敢えて選んでいるのだ。演出はそれなりのスタイルをしっかり持っている。これは、愚かな行為にふける人間を無邪気に見せる。そのための仕掛けなのだろう。
語り部である道化を演じる役者がとてもしっかりしていて、彼が作品全体をリードしていく。彼の力で作品は崩れそうになりながらも、崩れずラストまで見せていくことが出来た。気持ちのいい芝居だった。