懐かしい映画がリメイクされた。80年代に一世を風靡したコメディ・アクション・ホラー映画。大ヒットした娯楽大作が装いも新たにリブートされる。
でも、なんで今さら、という気がしないでもない。しかも、製作総指揮が前シリーズの監督アイバン・ライトマンと主演のダン・エイクロイドである。自分たちの作った記念碑的な作品をもう一度蘇えらせるために、取り組んだ。だから、ビル・マーレイもちゃんと出ているし、ラスト近くで、シガニー・ウィーバーもちゃっかり登場する。(死んだハロルド・ライミスへの献辞も忘れない。)こういう懐古趣味は悪くはないけど、ほとんどの人たちにとって、そして、今の時代においては、あまり魅力的ではない。
良かれ悪しかれ、これは古き良き時代の空気を再現した映画なのだ。だから、今の時代の殺伐とした映画とは一線を画する。そんなのんびりとしたテンポや、タッチは今の時代には受け入れられない。だから、あんなにヒットした映画なのに、これだけの大作映画なのに、お客さんは入らない。ゴーストたちはなんだかかわいい。なのに、若い世代にはまるでアピールしない。公開からまだ、2週目なのに、映画館はガラガラで、小さな劇場でしか上映されていない。それって、なんか、寂しい。
ちゃんと、新型マシュマロマン(ちょっと凶暴)も登場するし、ゴーストたちも、頑張るのだけど、映画自体はあまり弾まない。ムキムキ『マイティー・ソー』のクリス・ヘムズワーズが主人公たちの秘書を演じて、とことんおふざけする。オリジナルは男3人だったゴーストバスターズが女4人に変更された。別に時代の要請とか、そんなのではない。なんとなく、と言う程度。いろんな意味でこれは悪い映画ではない。それどころか、確かにほっとする映画で、ほのぼのとして、楽しい。疲れないし、2時間最後まで飽きさせない。でも、今の映画として観客の心を摑むわけではない。結局、昔懐かしの映画という次元に留まる。