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映画・演劇のレビュー

『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』

2008-08-20 07:29:56 | 映画
 今回取り上げた写真、なんだか『デビルマン』の写真か?なんて思いませんか。確かにこういうシーンありましたが。(たぶん)

 さて、今回の映画です。正直言って大のオトナが一人で見に行くようなものではない。まぁ、そんな事、充分わかっているのだけれど、なんとなく、また、見てしまったのも事実で。毎年、ライダー映画は夏の定番になっている。古い話で恐縮だが、昔、雨宮慶太監督(『ゼイラム』の頃がなつかしい)が『人造人間ハカイダー』をこの枠で監督したときの衝撃が忘れられないから、今でも、なんとなく見てしまうのです。

 それにしても今回は酷かった。正直言って何のことだか、僕にはわかりません。TVシリーズをちゃんと見てる人だけをターゲットにしているのだろうが、それにしても説明不足甚だしい。こんなものを映画だ、なんて言い、劇場公開するなんて、犯罪行為だろう。マニアだけのためなら、ホール巡業で公開すればいい。もちろん、こんな作品になっていることは、予め予測はついていて、それでも見てるのだから、文句は筋違いだろう。そんなこと、わかっている。だが、子供対象作品としても、これは不完全で、僕はどうでもいいが、お子達には、ちょっとかわいそうではないか、なんて。

 アメリカでは『ダークナイト』のような傑作が本気モードで作られているのに、日本ではこんな映画が蔓延る。同じヒーローものなのに彼我ではこれだけの差がある。昨年の『仮面ライダーNEXT』にしても、どこまでが本気なのかわからない代物である。取り組む姿勢の問題なのだが、かっての心意気はどこに行ってしまったのだろうか。ぜひ、大人の鑑賞に耐え得るヒーローものを日本でも作って欲しい。できたら、それは『ヤッターマン』ではなく、東映が『仮面ライダー』で成し遂げて欲しい、というのが僕の個人的な希望だ。

 今回の映画の欠陥は、人間関係がまるでわからないという根本的なことに尽きる。複雑な設定はともかく、誰が誰でどうなってる、なんてことすら伝わらないようじゃぁ映画としては失格である。田崎雄太監督なので、実はほんの少し期待していたのだ。彼が『ガメラ』の最新作を撮ったとき、そのアプローチが好きだった。子供目線のガメラを復活させながら、ただの子供だましにはしない、という姿勢がいいなぁ、と思った。それだけに、今回のような作家であることを棄ててしまったやっつけ仕事にはうんざりだ。

 併映の戦隊ものの新作は、まぁ、いつものように、それなりに笑わせてもらったから許す。

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