佐々部清らしい映画だと思う。とても真面目でストレートだ。ただのエンタテインメントにはしない。でも、メッセージばかりが前面に出る映画でもない。そのへんのバランスがとても上手い。だが、お話としては全体の構成があまりよくない。少女たちと4人の大人たちによる金塊輸送作戦を描くメーンの部分と、その前後の現代の部分とのバランスが悪いのだ。
少女たちのドラマのみに絞り込んで作品全体を作れたならよかったのに、彼女たちの行為がその後、そして現在にどう及んでいるのかの説明描写によって尺を取りすぎた。その結果、彼女たちの行為がいかなる意味を持つのかが曖昧になってしまったのだ。それを戦争の悲劇として、簡単に片づけてしまうのではつまらない。彼女たちがなぜ自ら死を選んだのか。そして、たったひとり生き残った少女が、みんなの死を受け止め、戦後マッカーサーといかに闘うこととなったのか。この映画が描くべきことはその1点のみのはずなのだ。
死を選んだ少女と生きることを選んだ少女。この2人を対比させることで、極限状況の中で最善を尽くすことの意味を問いかける。その1点でこの大作をまとめ上げたならおもしろい映画になっただろう。でも、そうはならなかった。視点ばかりが拡散し、ポイントが絞りきれないまま大味な映画になった。とても残念だ。堺雅人とか福士誠治とか中村獅童(彼とユースケ・サンタマリアはちゃんと脇にまわっていたが)とか、大人たちはみんな脇役に徹するべきなのだ。なのに、結局は彼ら大人を主役にして構成せざるを得なかったところにこの映画の問題がある。
少女たちのドラマのみに絞り込んで作品全体を作れたならよかったのに、彼女たちの行為がその後、そして現在にどう及んでいるのかの説明描写によって尺を取りすぎた。その結果、彼女たちの行為がいかなる意味を持つのかが曖昧になってしまったのだ。それを戦争の悲劇として、簡単に片づけてしまうのではつまらない。彼女たちがなぜ自ら死を選んだのか。そして、たったひとり生き残った少女が、みんなの死を受け止め、戦後マッカーサーといかに闘うこととなったのか。この映画が描くべきことはその1点のみのはずなのだ。
死を選んだ少女と生きることを選んだ少女。この2人を対比させることで、極限状況の中で最善を尽くすことの意味を問いかける。その1点でこの大作をまとめ上げたならおもしろい映画になっただろう。でも、そうはならなかった。視点ばかりが拡散し、ポイントが絞りきれないまま大味な映画になった。とても残念だ。堺雅人とか福士誠治とか中村獅童(彼とユースケ・サンタマリアはちゃんと脇にまわっていたが)とか、大人たちはみんな脇役に徹するべきなのだ。なのに、結局は彼ら大人を主役にして構成せざるを得なかったところにこの映画の問題がある。
この原作の素晴らしさは、その1点をさまざまな角度から描き、感じさせる所にある。
貴兄の面白さとはすなわち分かり易くするということで、それは今どきのテレビドラマと一緒なのである。