初めて東洋企画の芝居を見る。いつもおしゃれで刺激的なチラシを作っていて、手に取れば必ず見入ってしまう。今回もそうだ。お金もかかっているし、アイデアも満載されている。やる気満々意欲ビシバシが伝わるフライヤーで、とても楽しみにしていた。
芝居自体もスタイリッシュで刺激的。ウイングフィールドを横長に使うのは今までだってよくあったことだけれど、ここまでその横幅の長さを前面に押し出した芝居はない。横一杯に並んだ役者たちの見せるパフォーマンスは圧巻だ。そこにヒロインの岸鮭子が当然センターに颯爽と現れる。彼女を中心にして世界が回る、という図式が冒頭から明確になる。
芝居が描こうとするのは、流行を追うことの虚しさ、それでもそれを追い続ける人々の姿だ。それを圧倒的な存在感でこの芝居に君臨する岸鮭子演じるカリスマ少女COCOを通して描く。だが、そんな醒めた目をしたヒロインがいきなり殺人を犯すという展開には驚く。突発的に殺してしまう。彼女の中には冷静さと安直さが同居している。そして、実はその内面は空白なのだ。彼女には自分がない。だから、彼女のファッションは、彼女の意志ではない。彼女自身も踊らされているだけ。だけど、彼女は動じない。弱さをまるで見せないで、堂々とふるまう。むちゃをしているし、支離滅裂な行動なのに。
この芝居が面白いのは、理にかなわないドラマ展開をここまで押し切るところにある。パンフで作、演出の東洋が書いているように彼女は「加害者」であることに居直り続けているのだろう。芝居自身もそんな彼女を後押しする。だから芝居自体はバランスを崩している。でも、そこでも「それでいい」と居直っている。なんだかとても大胆な芝居なのだ。こういういびつさは好きだ。平気で自分の意志を貫き通す。それが間違っていようとも構わない。彼女の上から目線と、空疎な内面の対比から、後先考えず殺してしまうことも含めて、とんでもない展開が納得につながる。
しかも、彼女が