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映画・演劇のレビュー

『イップマン 序章 (葉問)』

2011-09-23 22:35:54 | 映画
 ついにこの映画を見た。ずっと気になっていたのだ。台湾でもマレーシアでも、DVD屋で何度も手にしたのだが、なんか買う勇気が出なかった。でも、この手のアクション大作ってなんか気になる。しかも最近ではこういう映画が少なくなって、それだけに希少価値というだけではなく、敢えて今作るだけのなんか、特別なものがここにはあるのではないか、と勘繰ってしまうからだ。ということで、必要以上の期待をかけて拝見。

 ブルース・リーの師匠として有名なイップマンという人(僕は知らなかった)の生涯を描いたアクション大作である。香港でもたぶん台湾でも大ヒットを記録した作品だが、ようやく今年になり日本でも公開された。(2009年作品。続編のほうが、先に『イップマン 葉問』というタイトルで公開されたから第1作である本作は『序章』なんてタイトルをつけられた。なんだかへんな気分だ。)

 1935年広東省武山、詠春拳の達人イップ・マン(ドニー・イェン)のもとに、訪れる武術家たち。やがて戦争が始まり、日本軍が攻めてくる。そんな中、日本人将校(池内博之)とイップマンは戦うことになる。まぁ、どこにもオリジナリティーのかけらもない定番のストーリー展開だ。これは実話の映画化なのだが、これでは、これが実話であることに何の意味もない。ただの娯楽アクションの典型。イップマンの伝記映画というわけでもない。日本人が悪役として登場するから日本での公開が難しかったのか、とも思ったがこういうルーティーンワークを今の日本人は受け入れない。

 これはただひたすらドニー・イェンの華麗なアクションを楽しめばいい、というそれだけの映画。でも、わざわざ日本で劇場公開するまでもない気もした。更には、まぁ、大したことではないが、こんなにも単純に日本人を悪者扱いする映画って最近では珍しいだろう。しかも話が単調だし。70年代の香港映画のリニューアルヴァージョンである。懐かしいといえば、確かに懐かしいが、それだけ。ちょっとがっかり。

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