「シャバ・ダバ・だぁリーディングその7」である。毎年夏には必ずやっている。これで7年連続だ。たまたま、初めて、始めて、面白かって、もう一度、と思い気付けば、7年。恒例行事となる。そういうスタンスが素晴らしい。条あけみさんたちは、こんなふうに、誰もがやらない独自のやり方で、でも、無理なく確かに自分たちの芝居を作り上げる。その取り組みは素晴らしい。昔、一時期はやった「リーディング」だけど、最近はあまりやらない。でも、彼女たちは一度手にしたこの遊びを大事に育てる。いろんなアプローチが可能なのだと言うことを毎回証明してくれる。
今回は、「和」をテーマにした3つのお話。いずれも時代劇なのだが、衣装は着物にはしない。(浴衣は以前にもしているし)女性は白、男性は黒。それぞれの役者たちに合わせた衣装だ。そこに鮮やかな色のスカーフやマフラーを纏う。さらには照明と音響をきちんと使い切り、7人の役者たちのアンサンブルを通してお話を立体的に作り上げていく。視覚的に楽しめる空間作りを心掛ける。役者たちは、役を演じるのではなく、お話を演じるのだ。この「台本を演じる」という試み。
まず、小説であるテキストを手に持つ。それが枷にはならない。リーディングというスタンスを大事にした。役を演じるためにそこにいるのではなく、台本を演じるというスタンスだ。台本を手にすることの力を最大限に引き出す。役者たちは演技も含めて「お話」を見せようとするのだ。これぞ究極のリーディングだ。
芝居というスタイルのあらゆる利点を「お話」を視覚的に展開するという試みだけに転嫁する。これぞまさに「ザ・リーディング」ではあるまいか。視覚的に楽しいリーディングに挑戦し成功している。