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映画・演劇のレビュー

『悪魔を見た』

2011-11-20 22:22:27 | 映画
 これは凄いわ。何が凄いって、話が無茶苦茶ですわ。よくもまぁ、こんな話で映画を作ろうと思ったものだ。感心する。俗悪の極み。でも、B級低俗映画を目指すのではない。作り手は、第1級の犯罪映画を目指したのかもしれない。だが、もしそうなら、この映画自体が犯罪だ。ここまで残酷にしなければならない理由がわからない。これではただのグロでしかない。犯人であるチェ・ミンシクも大概だが、彼への復讐に燃えるイ・ビョンホンがそれに輪をかけた残酷さで、お前らええ勝負してるわ、と思う。どっちもどっちだな、と思う。これってそんな映画なのですか、と突っ込み入れたくなる。なんか勘違いも甚だしい。18禁になるのはよくわかる。

 笑える映画にすらしたいほどのありえない展開だ。復讐のためならなんでもやる。でも、あんなことしても、復讐ではない。それって変質者でしかない。イ・ビョンホンやばすぎ。激ヤバである。映画はこの異常者を肯定的に描いている。一応彼も「悪魔」にしているが、彼こそが悪魔だ。終盤に到るとチェ・ミンシクが可哀想になるほどだ。(まぁ、それは嘘だが)まぁ、ラストでまたかなりやばい展開になり、イ・ビョンホン危機一髪となる。でも、おまえらええかげんしろ、としか思わない。この2人の戦いは、見ていて、どちらにも軍配をあげたくない。 自分らだけで好きにやればいい。

 恋人をこの異常者に殺され、復讐のため、他の異常者も含めて(この事件の犯人の容疑者たち)血祭りにあげる。だが、犯人だけはじわじわといたぶる。簡単には殺さない。でも、そんなことしているうちにまた無意味な犠牲者が増えていく。でも、そんなことにはお構いなしだ。復讐のためならどれだけ関係ない人を犠牲にしても構わないらしい。最後は究極の復讐を用意する。なんてマニアックな男だろう。サイコ野郎はあんたのほうだ、と思う。こんなことを平気で考え実行するイ・ビョンホン。あんたはただの変質者。

 2時間24分もある。これは『恋の罪』と同じ長さだ。まぁ、あれも大概な残酷映画だったが、これには及ばない。なんのつもりでこんな映画を作るのだろうか。作り手の精神状態を疑う。やばくないか。この監督! 病院に行って検査でもしてもらったほうがいい気がする。

 

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