習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『東京残酷警察』

2009-07-05 22:59:57 | 映画
 井口昇監督の『片腕マシンガール』を見た時、もうこれはいいわぁ、と思ったのだが、究極のスプラッター・アクションにはどこまでがエスカレートが可能なのか、それを見極めたくてついついレンタルしてきてしまった。超評判の映画である。なにもここまでやらなくてもいいじゃないか、と思わせる過剰さ。最初は笑って見てたが、だんだん表情がこわばってくる。えげつなさはMAXである。

 流血はシャワー状態というのは『片腕~』で散々やったから、またか、って感じだが、今回はストーリーにちょっと仕掛けがあるし、クリーチャーがまたエグイ。『ロボコップ』や『スターシップ・トゥルーパーズ』で散々やられた劇中CMが過剰にはさまれる。それがまた過激で、えぐくて笑えない。警察の民営化、過剰防衛、というテーマはおもしろいのだが、別にそこはどうでもいいみたいで、どんどんエスカレートする血まみれアクションの、ヒートアップがこの映画の眼目。ドラマ部分は低予算もあって、とことんしょぼい。だから、だんだんあほらしくなる。惜しいなぁ、と思う。こういうSFはきちんとした予算のもとでのリアルが身上であろう。だが、この映画にそれは求められない。世界観の提示が、ドラマ自体を突き動かさなくては見るに耐えない。

 主演は『サ・オーディション』の椎名英姫。クール・ビューティーとしてこの映画をきちんと引っ張っていて、悪くない。せめてこの映画に『ラスト・ブラッド』くらいの予算と、作り手に節度があればよかったのだが。こんなえげつないだけを売りにしても行き着く先はしれている。

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