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とてもさらっとした作品だ。こういうタイプのお話では、あまり類を見ない。それは演出を担当した中西邦子さんの姿勢だろう。メリハリをつけてはしゃいだタッチの演出をされたならとても見てられない芝居になるところを、彼女は淡々としたタッチで綴ることでベタな芝居となるところからこの作品を救っている。
お笑いを目指す2人組の女性芸人の、片割れを主人公にしたひとり芝居。隕石少年トースターの山内直哉さんの手による台本を、中西さんが演じる。漫才だとか、30過ぎの独身女性とか、かなり難しい設定を用意する。これをハイテンションでやられると、かなり厳しいはずだ。先にも書いたようにそのへんを中西さんはちゃんと理解しているから、芝居は気持ちよく観客である僕らの胸に届く。題材との距離の取り方がとてもうまい。付かず離れず、って感じだ。
主人公の女性は、自分の置かれた位置をしっかり認識している。そこでみっともなくあがいたりはしない。彼女は等身大の自分を理解し、今を生きている。35歳までは頑張ってみたいと思う。あと3年という時間に深い意味はない。だが、自分の中で一つの区切りは必要だと思っている。自虐ネタではないが、自分たちの日常に取材して、ネタを作る。
32歳の女性が、結婚もせず、自分の夢を今も追いかけている。そんな生き方を肯定もせず、否定もしない。ありのままに受け止めている。友だちからベビーシッターを頼まれて、当然子育ての経験もないくせに、嘘をついて引き受ける。同窓会で再会した友人に、売り言葉に買い言葉でまるで自分も結婚してて子どもを育てたフリをしてしまったからだ。
赤ちゃんと過ごす2度の時間を通して彼女がほんの少し変わっていく姿が描かれる。赤ん坊をあやしながら漫才のネタを考えたり、赤ちゃんに童話を読み聞かせながら2人で空想の世界を旅したり。
病院に連れていくエピソードは、いかにもでベタだが、それでも大丈夫なのは、演出の趣味の良さゆえだろう。なんでもないお話なのだ。それをなんでもないよ、と描いていく。だからおもしろい。ひとり芝居で90分を頑張らなんで見せる。その力の抜け具合が見事だ。
お笑いを目指す2人組の女性芸人の、片割れを主人公にしたひとり芝居。隕石少年トースターの山内直哉さんの手による台本を、中西さんが演じる。漫才だとか、30過ぎの独身女性とか、かなり難しい設定を用意する。これをハイテンションでやられると、かなり厳しいはずだ。先にも書いたようにそのへんを中西さんはちゃんと理解しているから、芝居は気持ちよく観客である僕らの胸に届く。題材との距離の取り方がとてもうまい。付かず離れず、って感じだ。
主人公の女性は、自分の置かれた位置をしっかり認識している。そこでみっともなくあがいたりはしない。彼女は等身大の自分を理解し、今を生きている。35歳までは頑張ってみたいと思う。あと3年という時間に深い意味はない。だが、自分の中で一つの区切りは必要だと思っている。自虐ネタではないが、自分たちの日常に取材して、ネタを作る。
32歳の女性が、結婚もせず、自分の夢を今も追いかけている。そんな生き方を肯定もせず、否定もしない。ありのままに受け止めている。友だちからベビーシッターを頼まれて、当然子育ての経験もないくせに、嘘をついて引き受ける。同窓会で再会した友人に、売り言葉に買い言葉でまるで自分も結婚してて子どもを育てたフリをしてしまったからだ。
赤ちゃんと過ごす2度の時間を通して彼女がほんの少し変わっていく姿が描かれる。赤ん坊をあやしながら漫才のネタを考えたり、赤ちゃんに童話を読み聞かせながら2人で空想の世界を旅したり。
病院に連れていくエピソードは、いかにもでベタだが、それでも大丈夫なのは、演出の趣味の良さゆえだろう。なんでもないお話なのだ。それをなんでもないよ、と描いていく。だからおもしろい。ひとり芝居で90分を頑張らなんで見せる。その力の抜け具合が見事だ。