不思議な感触の残る作品に仕上がっている。決して上手いとは思わないが、スタイルッシュな空間造形を志向し、その狙いはそれなりに達成できている。全体はコントや漫才を織り込んだバラエティショースタイルだが、そんな中で2人の男女(NとS)がラジオの掲示板で出会い、それぞれが今置かれている状況から1歩踏み出していこうとするまでの姿が描かれる。見終えてけっこう爽やかな気分にさせられる。ちょっとした青春ものである。
ストーリーを追うことよりもライブ感を大切にして、シーンシーンを独立させる。全体がモザイクのようになっており、前述のストーリー部分の比重はあまり重くない。映像を使ったり、人間関係を巧みに構成させそれぞれがピースとしてこの芝居に嵌るようにしたりと、なかなかよく考えられてはいる。だが、ショー部分はあまり笑えないし、(それどころかかなり滑っている)頭で作ったイメージがきれいにまとまりきれない部分も多々ある。ドラマとライブがきちんとシンクロして、完璧に構築出来たなら、画期的な作品になったかもしれない。混乱したイメージを作者が上手くドライブできればいいのだが、思いつきの域を出ない。
ストーリーを追うことよりもライブ感を大切にして、シーンシーンを独立させる。全体がモザイクのようになっており、前述のストーリー部分の比重はあまり重くない。映像を使ったり、人間関係を巧みに構成させそれぞれがピースとしてこの芝居に嵌るようにしたりと、なかなかよく考えられてはいる。だが、ショー部分はあまり笑えないし、(それどころかかなり滑っている)頭で作ったイメージがきれいにまとまりきれない部分も多々ある。ドラマとライブがきちんとシンクロして、完璧に構築出来たなら、画期的な作品になったかもしれない。混乱したイメージを作者が上手くドライブできればいいのだが、思いつきの域を出ない。